Cadenceがフォーマル検証ツールのJasper Design Automationを約1億7000万ドルで買収へ
2014年4月21日、Cadenceはフォーマル検証ツールを手掛けるJasper Design Automationの買収を発表した。
発表によるとCadenceはJasperを現金約1億7000万ドルで買収する事でJasperと正式契約。買収は今年Q2の間に完了する見通し。
Cadenceは自前のフォーマル検証ツールとして「Incisive Formal Verifier」を保有しているが、単体のフォーマル検証ツールの市場シェアとしては恐らく業界首位と思われるJasperのソリューションを取り込むことで、自社の検証ソリューションの更なる拡充を計る。
Jasperはフォーマル検証ツールのEDAベンダとしては老舗で設立は2000年。日本国内では早くからサイバーテック社が代理店として販売を開始し複数の大手顧客を獲得していた。大手IPベンダの大規模採用なども後押しして同社の業績は順調に伸びていたが、2010年から打ち出した個別の検証要求にフォーカスした自動化アプリ「Jasper Apps」の戦略があたり急成長。昨年時点で半導体上位15社のうち10社が顧客だとしていた。
チップの複雑化、大規模化に伴い、あらゆる検証手法を駆使する先端チップの開発ベンダを中心にフォーマル検証の市場はここ数年拡大傾向にあり、2010年以降の市場成長率はシミュレータを上回る10%を超えるとされている。その市場の中でJasperは中心的な存在だっただけに今回の買収に関するインパクトは大きい。