Synopsysがソフトウェア静的解析ツールのCoverityを買収
2014年2月19日、Synopsysはソフトウェア静的解析ツールを手がける米Coverity社を買収する事を発表した。
Synopsysの発表によると、Coverityの買収金額はおよそ3億7500万ドルで2014年第2四半期中(4-6月)に買収手続きが完了する予定。
Coverityは、2002年に米スタンフォード大の研究成果をベースに設立された企業で、組込みソフトやアプリケーションソフトのソースコード解析を行う静的解析ツール「Coverity Static Analysis Verification Engine(Coverity SAVE)」を中心にビジネスを展開し、ソフトウェアの品質とセキュリティの向上をターゲットに急速にシェアを伸ばしていた。
「Coverity SAVE」は、複数の解析技術を用いてソースコードの全実行可能パスを網羅的に解析する事が可能で、誤検知率が低い高精度なバグ検出が可能とされている。
Synopsysによると、世界のソフトウェア企業上位10社のうち9社、宇宙航空・防衛企業上位10社のうち7社、グローバル・ブランド企業上位10社のうち8社、半導体上位10社のうち6社が既にCoverityの顧客であるとの事で、その顧客総数は世界1100社以上だという。
Synopsysは2006年に仮想プロトタイピング・ツールを手掛けるVirtio社を買収した後、2010年に同じく仮想プロトタイピングを手掛けるCoWareとVaSTの2社を買収。この辺りが同社のソフトウェア開発分野への参入の第一歩であったが、今回買収を発表したCoverityのソリューションは、あらゆるソフトウェアの品質とセキュリティを対象とした明確なソフトウェア開発ソリューションであり、ソフトウェア開発分野への事業展開という意味で今回の買収はSynopsysのM&A史に残る大きな案件となるだろう。
※日本シノプシス合同会社
※Coverity