カナダのモントリオール理工科大学発のベンチャーであるSpace Codesignは、ARMのブース内にパートナーとして展示していた。同社は社名の通り宇宙向けシステムの開発を一つのターゲットとしているが、2011年にARMのプロセッサ・モデルをサポートしてからは、コンシューマ・エレクトロニクス向けにもソリューションの展開に力を入れている。
同社のGeneral Manager Gary Dare氏に話を聞いたところ、現在同社のESLツール「SpaceStudio」では、ARM Cortex-A9 DualCore,Xilinx MicroBlaze,そして宇宙システム向けのプロセッサLeon3のプロセッサ・モデルをサポートしており、C/C++/SystemCをベースとした環境でシステムのアーキテクチャ探索ならびにパフォーマンス解析が可能。FPGAをターゲットに高位合成向けの実装用HWコードとプロセッサ向けのSWコードを出力する事も出来る。(※高位合成は市販ツールまたはFPGAベンダのツールを利用する想定。ASIC向けの実装コードも出力できるとしている。)
最新のバージョンでは、「アーキテクト・ダッシュボード」と呼ぶグラフィカルなアーキテクチャ探索機能が用意され、システムを構成する各種コンポーネントをドラッグ&ドロップで置き換え、様々なアーキテクチャのパフォーマンス、パワーを容易に解析する事が可能に。実際に試したMotion JPEGのビデオ・デコーダのアーキテクチャ探索の例では、設計者1名でアーキテクチャ全26パターンを僅か2.5日でチェックし終えたという。ブースではXilinxのFPGA SoC「Zynq」のバーチャル・プラットフォームを用いたデモを行なっていた。
※画像は全てSpace Codesign提供のデータ
ちなみに「SpaceStudio」のリストプライスは、年間ライセンスで6000ドル(モデル・ライブラリ込み)とかなり値頃感があり、ニーズにマッチすればかなりの低コストでARM Cortex-A9ベースのESL環境を手にできる。