【DAC50】S2Cのブロック検証向け「Kintex-7」搭載プロトタイピング・ボードは数千ドル
6月2日-6日テキサス州オースティンで開催された第50回Design Automation Conferenceの展示会レポート。
S2Cは、FPGAプロトタイピング・ボードを手掛けるベンダ。DAC直前に発表したプロトタイピング・ボード「K7 TAI Logic Module」を展示していた。
「K7 TAI Logic Module」は同社の第5世代製品ファミリの新製品で、Xilinxの28nm FPGA「Kintex-7」を1個搭載しており、およそ400万ASICゲートのデザインに対応可能。432の外部IO端子、最大10Gbps動作の16チャネル・ギガビット・トランシーバを備えている。
S2CのCEOである中間氏によると、「K7 TAI Logic Module」は、ブロック単位のデザイン検証などに手軽に使ってもらうために用意した低コスト・ボードという事で、その北米販売価格は数千ドル。複数の「K7 TAI Logic Module」をスタックしてより大規模デザインにも対応可能で、同じ同社の第5世代製品で「Virtex-7 2000T」を搭載する「V7 TAI Logic Module」と同じソフトウェア環境(FPGA実装ツール)が提供されるため「V7 TAI Logic Module」へのデザインの移植も容易。当然、S2Cの用意している豊富なインタフェース・カードも利用できるという事だ。
同社の「V7 TAI Logic Module」は、「Virtex-7 2000T」搭載のプロトタイピング・ボードとしていち早く市場に登場し、先行者メリットで顧客の開拓に成功。今年1月には「Virtex-7 2000T」が4個搭載され8000万ASICゲートに対応する「Quad TAI Logic Module」をリリースしている。中間氏によると、製品投入が早かっただけではなく、最新の製品も旧世代の製品もコネクタ形状が同一であるため、製品の世代を超えてインタフェース・カードを共通利用できるなど、ユーザーは利便性の高さを良く理解してS2Cの製品を選択しているという。