【DAC50】ジーダットが先端アナログ設計向け新ツール2品種を展示
6月2日-6日テキサス州オースティンで開催された第50回Design Automation Conferenceの展示会レポート。
日本から出展したジーダットは、発表したばかりのアナログ設計ツールの新製品「Anchor/RVT」と「Anchor/TXA」を展示していた。
「Anchor/RVT」は、既存の回路図をリユースできるアナログ自動レイアウト・ツールで、オリジナルの設計データからトポロジを自動抽出、ターゲット・プロセス向けにPDKの変換を行い、自動的に配置配線を行う。同ツールには回路の最適化機能も備えられており、波形ビューワから回路の最適化箇所を絞込み指定可能という特徴的な機能がある。「Anchor/RVT」は業界標準のデータベース形式「OpenAccess」ベースで開発されており、TSMCのiPDK(interoperable process design kit)をサポートしている。
「Anchor/TXA」は、先端プロセスで発生するLDE(レイアウト依存効果)やばらつきの問題に対応するアナログ自動レイアウト・ツールで、同じサイズでデバイスを作成しアレイ状に並べる「レギュラー・ストラクチャー」という規則的なレイアウトを行う事で、LDEやばらつきの影響を均一化する。同ツールは北九州大学の中武教授の研究成果を利用したものとの事で、回路の性能予測の向上と合わせて手戻り削減によるTAT短縮効果も得られるという。
尚、JEDATは昨年に続き今年もGary Smith EDA社の「WHAT TO SEE @ DAC 2013」リストにその名が掲載された。同社は海外企業も顧客に持つと聞いたが、その大半は日本国内ユーザーと思われ、今後は日本のEDAベンダとして更に知名度を上げ海外展開も頑張って頂きたいところ。ちなみに、「Anchor/TXA」は、先端プロセス向けという事で日本国内よりも海外企業をターゲットに営業を展開していくようだ。
「Anchor/TXA」と「Anchor/RVT」はいずれも現在ベータ版のリリースで、年内に正式リリースを予定している。