CadenceがTensilicaを3億8000万ドルで買収へ
2013年3月12日、Cadenceはプロセッサ・コアのIPベンダTensilicaの買収を発表した。
発表によるとCadenceとTensilicaの両社は買収に関する契約を締結。約3億8000万ドルの現金でCadenceがTensilicaを買収することになった。
TensilicaはDPU(dataplane processor unit)と呼ぶコンフィギュラブル・プロセッサIPやオーディオ向け等のDSP IP、コントローラIPを展開しており、スマートフォン、タブレット、ノートPCなどのモバイル端末の他に、デジタルTVやストレージ、ネットワーク・アプリケーション等でも量産採用されているほか、3G/HSPA+やLTE、LTE-Advancedをはじめとする標準規格のモデム開発にも多用されている。
Tensilicaの発表によると昨年12月時点でライセンシーが200社、計500以上のライセンスを提供し、IPコアの出荷数は20億個以上、Tensilica提供の標準品ならびにライセンシーによるカスタム品合わせて数千種のDPUがシリコン化されているとの事。
同社は言わずと知れた世界的なIPベンダで、モバイル端末市場の急成長に乗り業績を拡大している企業の一つ。日本企業も古くからドコモ、富士通、NEC、パナソニック等が出資しており、今後も更なる成長が見込まれていた。
Cadenceは各種設計および検証用IPを手掛けているが、Tensilicaの買収によって一気に世界的なIPベンダとしての地位を獲得する事になる。