AlteraがOpenCLを用いたFPGAベース・システム開発用のSDKを発表
2012年11月6日、Alteraは、業界初となるOpenCLを用いたFPGAベース・システム開発用のSDK(Software Development Kit)を発表した。
AlteraのOpenCL向けSDKは、CPUとFPGAを用いたヘテロジニアス・システムを開発するための環境で、C言語ベースのOpenCLを用いたFPGAの設計を実現するもの。利点としては、C言語を扱うソフトウェア開発者にも容易にFPGAを用いたシステムを開発できる点、FPGAをCPUのアクセラレータとして利用することで、他のハードウェアを用いるよりも低い消費電力でシステムの処理能力を向上できる点などが挙げられる。
通常、FPGAの設計にはVerilog-HDLやVHDLといったハードウエア記述言語を用いるが、AlteraのOpenCL向けSDKは、HDLによるFPGAの実装を不要とするもので、OpenCLで記述されたC言語から高速化の対象となる並列化可能な関数を自動的にFPGAハードウェア・アクセラレータに変換、FPGA外部へのインターフェースやインターコネクト・ロジックを追加した形でFPGAのコンフィギュレーション・ファイルを自動生成する事が可能。CPU上のホスト・プログラムとFPGAの通信用にOpenCL APIコールにリンクするライブラリも用意されている。
Alteraの実施したベンチマーク結果によると、このOpenCL向けSDKを用いることでビデオ処理アプリケーションの開発期間を数ヶ月短縮した例や、金融アプリケーションの開発において、単一CPUを使用する場合より9倍の性能向上に成功した例などがあるとの事。消費電力に関しては、FPGAベースのソリューションは他のハードウェアに比べて5倍以上の電力効率(1ワット当りの性能)を実現可能としている。
尚、AlteraのOpenCL向けSDKは既に量産移行できる段階にあり、現在、早期アクセス・プログラムの参加企業に提供されているとの事。来週14日から開催される「Embedded Technology/組込み総合技術展 2012」にてデモが披露される予定となっている。