MentorがQuesta Verification Platformのフォーマル検証技術を強化
2012年10月19日、Mentor Graphicsは、同社の機能検証プラットフォーム「Questa」におけるフォーマル検証技術の強化を発表した。
発表によるとMentorは今回、2004年に買収した0-in社の技術をベースとした複数のフォーマル技術の最新版を機能検証プラットフォーム「Questa」に追加した。
そのうちの一つ、「Questa CoverCheck」は、フォーマル技術を用いて100%のコード・カバレッジを達成できるビンと達成できないビンを自動的に識別する機能で、コード・カバレッジの収束を高速化するだけでなく、コード・カバレッジのビンが誤って検証プロセスから漏れてしまうミスを防ぐ事ができるという事。また「Questa CoverCheck」は、何百ものリグレッションのカバレッジをマージしたカバレッジのデータベース「UCDB」を読み込み、その中からカバーできていない部分を見つけ、そこをカバーするためのパターンを半自動で生成するという機能もあり、これら機能を用いればコード・カバレッジにおける人手の作業を大幅に削減できる。
「Questa AutoCheck」は、フォーマル検証ツール「Questa Formal」に新たに搭載された機能で、検証対象のデザイン(RTL)のみを読み込んでアサーションを生成し、テストパターンに依存せずにデッドロックなどの一般的な機能エラーを検証する事が可能。テストパターンやアサーションを必要としないため、RTLを書いたその場ですぐに利用可能で、網羅的にコーナーケースのバグを検出する本格的なフォーマル検証を行う前に、デザインの基本的なバグをチェックできる。(※同機能は元々0-in Formalに搭載されていた)
Mentorによると、その他にも「Questa Formal Multi-Core」と呼ぶフォーマル検証作業を複数のコアやコンピュータに分散できる新しい機能が「Questa」プラットフォームに追加されたほか、CDC(Clock-Domain Crossing)検証ツール「Questa CDC」もエンハンスされ「Questa」プラットフォームに追加された。「Questa CDC」は性能向上によりチップ・レベルのCDC検証も可能となっており、そのキャパシティは無制限だという。
Mentorは、昨年まで各種フォーマル検証ツールを「0-in」シリーズ製品として販売していたが、それら各ツールおよび各機能を全て「Questa」プラットフォームに統合し、より包括的な機能検証プラットフォームを実現したというのが今回のリリースの主旨であろう。
※メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社