CAE大手ANSYSがモデル・ベース設計の仏Esterel Technologiesを現金5300万ドルで買収へ
2012年5月29日、CAEソフト大手のANSYSは、モデル・ベース設計ソリューションを手掛ける仏Esterel Technologiesを現金5300万ドルで買収する事を発表した。
Esterel Technologiesはフランスのエランクールに本拠を置く従業員約80名の企業で、2011年の売上は約1500万ドル。同社のモデル・ベース設計ソリューション「Scade」ファミリ製品は、航空宇宙、防衛、鉄道、原子力発電所、産業システム分野向けの組込みソフト開発ツールで、各種安全規格に準じたソフト開発を包括的にサポートしている。
同社の歴史は古く、1980年代に開発されたプログラミング言語「Esterel」がルーツとなっており、企業としては1999年に設立され翌2000年に最初の商用製品がリリースされている。現在ビジネスの中心となっている製品「Scade」ファミリもフランスの地で1980年代から開発が進められてきた歴史あるツールで、様々な経緯を経て2001年からEsterel Technologiesが事業を展開。「Scade」エアバス社の航空機開発で採用されている事で有名。
ANSYSは、2008年に電磁界解析ツールを手掛ける米Ansoftを、2011年にパワー解析および最適化ツールのApacheを買収しているが、今回のEsterel Technologiesの買収に関しても、既存ソリューションの補完し更に同社のソリューションを拡張するものとしている。ちなみに同社が組込みソフト開発分野のソリューションを手に入れるのは今回が初となる。