OCP-IPがSystemC TLM Kitをエンハンス-TLM2.0ベースで機能強化
2012年4月3日、オープンコアプロトコル(OCP)の普及団体OCP-IPは、「SystemC TLM Kit」のエンハンスを発表した。
「SystemC TLM Kit」は、OCP準拠のTLMベースの通信モデル、インタフェースモデルをモデリングするためのキットで、OCP-IPが会員向けに無料提供している。
発表によると「SystemC TLM Kit」の最新バージョンversion 2_2x2_2では、Accellera Systems InitiativeのOSCI SystemC TLM2.0規格に沿った以下のような機能強化が更に進められた。
・payload-event-queuesのデータ堅牢性向上
・thread-busy signaling APIの修正
・interrupts, sideband error signaling, sideband user flagsのサポート
・TL3とTL1間、TL1とTL0(RTL)間のTLM2.0ネイティブ・アダプタのサポート
「SystemC TLM Kit」は、OSCI SystemC TLM2.0の全ての抽象度をサポートするものだが、OCP-IPの示すTL3,TL1,TL0という表現は、OCP-IPが独自に定義するモデルの抽象度で、OSCI TLM2.0の定義とは異なるもの。その対応関係については以下の表が分り易い。
尚、「SystemC TLM Kit」は、OCP-IPのSystem Level Design Working GroupがオープンソースのSystemCモデルを手掛けるGreensocsと共に開発したもので、OCP仕様としてはバージョン2.1および2.2をサポート。(OCP3.0仕様は未サポート)OSCI TLMのバージョンは2.0.1をサポートしている。同キットは既にOCP-IPの会員向けに無償提供されており、非OCP-IP会員でもモニターの無いバージョンを無償利用できる。