富士通セミコンダクターがMagmaのアナログ設計最適化ツール「Titan ADX」を採用
2011年11月21日、Magmaは、同社のアナログ設計最適化ツール「Titan Analog Design Accelerator」を富士通セミコンダクターが採用したことを発表した。
発表によると富士通セミコンダクターは、様々なLSI製品に搭載する多種多様なアナログIPの設計能力の強化に伴い「Titan ADX」を評価。同ツールの特徴的な機能である最適化機能およびポーティング機能の有用性を確認し、自社のアナログ・デザインフローに導入することを決定した。
Magmaの「Titan ADX」は、Magmaが2008年に買収したSabio Labs社の技術をベースとしたアナログ設計最適化ツールで、SPICEシミュレーションをベースとした既存のアナログ設計手法に代わり、「FlexCell」と呼ぶ独自の数式モデルを用いる事で従来よりも効率的なアナログ回路の設計および最適化を実現することが出来る。この手法は、異なるプロセス・テクノロジへのデザインの移行にも有用で、従来手法では工数を要するアナログデザインのポーティング作業をほぼ自動的に処理する事ができる。
「Titan ADX」は、国内ではパナソニックが採用している他、TSMCの28nmプロセス対応Analog/Mixed Signal Reference Flow2.0に認証されており、その採用事例は数多く報告されている。さる10月20日に横浜で開催された同社のプライベートセミナーでは、PLLの周波数移行を1週間で設計した例やパイプラインADCの面積と消費電力を30-50%改善した例などが紹介された。
Magmaによると、「Titan ADX」の投資対効果は時間の経過と共に高くなるという事で、最初のうちは数式ベースのライブラリ「FlexCell」の作成で時間を浪費するが、ライブラリの蓄積に応じてTATが改善されていくという。
尚、Magmaは、「Pcell」資産を「FlexCell」へ移行させるソリューションの提供を予定しているようだ。