SynopsysがARM Fast Modelsの販売権とCortexプロセッサ・モデルの開発権を獲得
2011年9月29日、SynopsysとARMは、バーチャル・プラットフォーム用のARMプロセッサ・モデルに関する両社の契約について発表した。
発表によるとARMは、同社の開発・販売するバーチャル・プラットフォーム用のプロセッサ・モデル「Fast Models」の販売権ならびに、とARM Cortexプロセッサ・ファミリーのモデル開発権をSynopsysに付与する契約をSynopsysと締結した。
ARMの「Fast Models」は、ソフトウェア開発向けに用意されるARMプロセッサの高抽象度モデルで、ARMによってモデルの機能的な等価性は保証されている。これまで同モデルは、ARMまたはESLツールを提供するCarbon Design Systems社が販売していたが、新たにSynopsysからも入手する事が可能となった。
またSynopsysは今回の契約により、TrustZoneやVector Floating Point(VFP)などのARMの最新テクノロジも組み込んだモデルの開発が可能となった。SynopsysはARMの「Fast Models」には無いタイミング情報を持ったARMプロセッサの高抽象度モデル「ファスト-タイムド・モデル」の提供を計画しており、それをバーチャル・プラットフォーム上で活用すればタイミング精度の高速なシステム検証が可能となる。
Synopsysによると、Cortexプロセッサの「Fast Models」は既にSynopsysより出荷中。「ファスト-タイムド・モデル」については未だ出荷されておらず、情報提供が開始されている状態だという。これらTLMモデルに関する情報は、Synopsysが開設したウェブサイト「TLMCentral」を通じて入手する事ができる。