SpringSoftが「Verdi」向けカスタム・アプリの開発・利用促進サイトを開設
2011年10月3日、カスタムIC設計環境ならびにハードウェア検証・デバッグソリューションを手掛けるSpringSoftは、同社製品「Verdi」向けのカスタム・アプリの開発・利用促進サイトを開設した事を発表した。
SpringSoftの開発したWebサイトは、「VIA Exchange」という名称でURLは以下の通り。
http://www.via-exchange.com/
「VIA Exchange」は、SpringSoftの提供する業界デファクトのデバッグ・ツール「Verdi」向けのカスタム・アプリケーションの開発および利用を促進するために立ち上げられたWebサイトで、名前とメールアドレスだけのユーザー登録で誰もが無料で利用することができる。
サイト上には大きく下記4つのメニューがあり、サイトの利用者は「Verdi」向けのカスタム・アプリケーションを開発するノウハウやライブラリを入手できる他、サイト上の無償アプリケーションやスクリプトをダウンロードする事が可能。更に独自に開発したカスタム・アプリケーションをサイト上のコミュニティに公開(共有)したり、ユーザー同士の交流を図ることもできる。
■VIA Exchangeのメニュー
・Getting Started カスタム・アプリの開発に関する情報
・Download ライブラリ、カスタム・アプリのダウンロード
・Share カスタム・アプリの公開(申請)
・Forum ユーザー交流スレッド
※画像はVIA Exchangeトップページのスクリーンショット
今回のSpringSoftによる「VIA Exchange」立ち上げの肝は、「Verdi」のデータベースとGUIのインタフェースが公開されたという事で、これによりユーザーは業界デファクトとなっているSpringSoftのデバッグ用データベース「KDB(Design Knowledge Database」と「FSDB(Fast Signal Database)」にアクセスできるようになる。すなわち「Verdi」ユーザーは、KDB/FSDB各データベースの情報を活用した設計や、設計/検証用の独自のアプリケーション開発が可能となるほか、「Verdi」のGUIのカスタマイズも可能となる。
これまでSpringSoftは、サード・パーティーや一部ユーザーにインタフェースを公開し、サードパーティーとのツール連携や顧客におけるカスタム・アプリケーション開発に対応してきていたが、日本国内だけでも2000を数えるという膨大なユーザー数を考えると、「Verdi」に関する「細かなカスタム要求」に個別に対応するよりも、APIを公開して「ユーザー自身にカスタマイズしてもらう」方がより効率的と判断した。そのためのインフラとなる「VIA Exchange」は、ユーザーにとっても情報やツールの入手場所として利用メリットは非常に高く、まさにWin-Winのインフラと言える。
既に運用が開始されている「VIA Exchange」には、SpringSoftおよび同社パートナーが用意したKDB/FSDBアクセス関数やスクリプト/カスタム・アプリなど計100種近くがアップロードされており、今後は一般ユーザーが開発したアプリの公開なども順次進められる予定。(※アプリ公開にあたりSpringSoft側でテストなどのチェックが実施される)
SpringSoft日本法人社長の河原井 智之氏によると、これまで日本ユーザで多かった「Veridi」関連のカスタム要求は、ユーザー独自の機能追加、データベース格納情報の設計利用、GUIのカスタマイズなどで、これら要求の殆どは「VIA Exchange」を利用することで解消可能との事。Web上のコンテンツだけでは要求が満たされない場合は、要望に応じてコンサルティングやトレーニングのサービスも提供可能だという。