バーチャル・プラットフォームのImperasがルネサスV850コアモデルをリリース
2011年10月12日、バーチャル・プラットフォーム「OVP」を手掛ける英Imperasは、新たなプロセッサ・モデルとして「V850」モデルを開発した事を発表した。
発表によるとImperasはルネサスエレクトロニクスの協力の下で、新たに「V850」ファミリのOVP Fast Processor Modelsを開発。同モデルはImperasの提供するシミュレーター「OVPsim」で利用することができる。同シミュレーターは大学関係には無償で、企業向けには有償で提供される。
※OVPで提供される全てのモデルは無償。OVPを用いたソフト開発環境は有償。
Imperasの「OVP」をはじめとするバーチャル・プラットフォームは、ソフトウェア開発向けのソリューションとして実用が進んでおり、電機メーカーに限らず自動車メーカーや自動車部品のサプライヤも積極的にその活用に取り組んでいるが、車載ECU用のマイコンとして広く利用されているルネサスの「V850」のモデルは、これまでSynopsysのシミュレーター「CoMET」にしか用意されていなかった。
今回のImperasの発表には、車載システムを開発するスウェーデンのNIRA Dynamics社が「既存のソリューションよりも50倍高速」とコメントしている。
Imperasは2010年にも同様の「V850」モデルのリリースを発表しているが、当時は独自開発のモデルという位置付けで、ルネサスエレクトロニクスの協力については触れられていなかった。今回発表された「V850」モデルの開発にあたり、ルネサスエレクトロニクスは検証面で協力しているようだ。
尚、Imperasは今回の発表と合わせて更に2件の発表を行った。
一つは、Imperas社製品の日本国内の販売を東京ナノファーム社が担当するという
アナウンス。もう一つは、設計コンサルティングおよび設計サービスを手掛けるエッチ・ディー・ラボ社が、同社のSystemCトレーニング・コースにおけるバーチャル・プラットフォーム向けモデル開発環境として「Open Virtual Platforms」を採用したという
アナウンスである。