NEC、金融分析システムにおける「複合イベント処理」を高位合成で高速化(ハード化)
2011年9月28日、NECは、変動する大量の時系列データをリアルタイムで処理できるハードウェア設計技術の開発を発表した。
発表によるとNECは、株価データの分析など金融業界のシステムで活用されている「複合イベント処理」をハードウェア化する技術を開発。従来ソフトウェアで行われていた「複合イベント処理」をハードウェアで行う事で、約50倍の高速化を実現した。
具体的には、「複合イベント処理」をハードウェア化するために、文字列の正規表現を関数に応用した「関数の正規表現」を開発。それを用いることで、正規表現による一致処理と関数による計算処理を同時に行う独自のハードウェア処理機構を実現した。
また、ハードウェア化にあたっては、NECの高位合成ツール「CyberWorkBench」を利用することで、ユーザが独自のデータ分析・処理の関数をC言語でプログラミングするだけでハードウェアを実現できる形にした。
尚、詳細は不明だが、発表文には「C言語を用いてユーザが自由に回路を書き換えできるハードウェアを利用」とあり、「Cyber Workbench」とFPGAを組み合わせてハードウェア化を実現しているようだ。(NECは「CyberWorkBench」のFPGA専用版の販売を今年8月から開始している。)
NECはこの成果をギリシャで開催された「International Conference on Field Programmable Logic and Applications」にて、さる9月5日に発表。今後も、ハードウェアを活用したリアルタイム分析技術の研究開発に積極的に取り組んでいくという。