NECがC言語ベース高位合成ツール「CyberWorkBench」のFPGA専用版をリリース
2011年8月25日、NECはC言語ベースの高位合成ツール「CyberWorkBench」のFPGA専用版の販売開始を発表した。
NECによると「CyberWorkBench」のFPGA専用版は、Professional版、Standard版、Basic版の3種類のライセンスが用意されており、最も安価なBasic版は200万円から。Standard版は、ターゲットのFPGAシリーズと設計規模に制限がかかる。
NECの「CyberWorkBench」に限らず、高位合成ツールには「使いこなすには様々なノウハウが必要」というイメージが広がり、ハードウェア設計のプロ向けの製品と受け止めている人も少なくないが、そんな状況を踏まえNECはここ数年「よりイージーに使える」という方向へ「CyberWorkBench」の開発をシフト。今年6月に開催された48回DACでは、ツール側で様々なオプションを用いて自動的に合成結果を出すという「プッシュボタン合成機能」を発表した。
今回発売されたFPGA専用版においても、当然この「プッシュボタン合成機能」は利用可能だが、更に「イージーな合成」を実現する機能として、ターゲットとするFPGAに特化した合成最適化機能も用意されており、ユーザーはFPGAベンダが培ってきたFPGA固有の高速化ノウハウやリソース削減ノウハウをツールの機能として利用することが出来る。
「CyberWorkBench」はANSI-C言語を入力としているため、Verilog-HDLユーザーやソフトウェア開発にとっては敷居が低く入り易いツールと言えるが、更にプッシュボタン合成機能やFPGA向け最適化機能が提供される事によって、「FPGAをC言語で設計したい」、「手元のCコードを手っ取り早くハード化したい」といったニーズを容易に実現可能となる。
FPGA需要の拡大を追い風に「誰もが使えるイージーな高位合成」を具現化したツールとして「CyberWorkBench FPGA版」の今後の活躍に期待したい。
※画像はNEC提供のデータ。「CyberWorkBench FPGA版」のGUI画面。