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Synopsys、バーチャル・プロトタイピングの新製品「Virtualizer」をリリース

2011年7月19日、Synopsysは、新たなバーチャル・プロトタイピング・ソリューションとして新製品「Virtualizer」のリリースを発表した。

プレスリリース文

新製品「Virtualizer」については、先頃開催されたSystemC関連の技術セミナー「SystemC Japan 2011」において、日本シノプシスの川原氏からも紹介されていたが、同氏の講演およびSynopsysの発表によると、「Virtualizer」はSynopsysが買収したVirtio、Coware、VaSTの各バーチャル・プロトタイピング・ソリューションを統合した新しいツール環境で、組込みソフト開発の効率化・TAT短縮を狙うもの。Synopsysは、「Virtualizer」の利用により開発工数を削減し、ソフトウェア開発期間を最大9ヶ月短縮できるとする。

これまでSynopsysは、旧Virtio社の「Innovator」、旧CoWare社の「Platoform Architect/Virtual Platform」、旧VaST社の「CoMET/METeor」と異なる3種類のバーチャル・プロトタイピング・ツールを提供してきているが、それぞれのツールでアプローチが違うため、シミュレーション・エンジン、モデル、解析ビューワなどツールの核となる部分を統合し、いかにツール間の相互運用性を高めるかが課題となっていた。

今回発表された「Virtualizer」は、その課題に対するSynopsysの答えと言えるもので、これまで各ツール個別に存在していたソフトウェアの解析ビューアが共通化され、合わせてモデルも共通利用できるようになった。

「Virtualizer」の解析ビューアのGUIは、「Innovator」、「Platoform Architect/Virtual Platform」、「CoMET/METeor」の全てをサポートしているため、既存の各ツール・ユーザは慣れ親しんだGUIで作業することが可能。モデルに関しては、プロセッサ・モデルは例外となるものの、「Platoform Architect」でサポートされていた「SCML(SystemC Modeling Library)」ベースのSystemCモデル、およびSynopsysの提供する「DesignWare System Level Library」も「CoMET」で利用できるようになった。

シミュレーション・エンジンについては、技術的な違いがら統合には至っていないが、新製品「Virtualizer」を購入すれば、SystemCのエンジンも「CoMET」独自のエンジンも両方とも使用することが出来るようになっている。(同時利用はどちらか一方)

また、その他にも「Virtualizer」では、Windows7および64ビットWin/Linuxがサポートされたほか、「Platform Architect」のオプション機能「Multicore Optimization Technology」とのデザインデータの互換性も確保された。

Synopsysは「Virtualizer」で実現するバーチャル・プロトタイピング・ソリューションは、ソフトウェア開発のみに向けたものではなく、同社の「HAPS」などFPGAベース・ハードウェア・プロトタイピング・ソリューションや論理シミュレーター「VCS」、サードパーティーのエミュレーション環境などと接続する事で、テストベンチをCで記述する非常に検証効率の高いハードウェアの「ソフトウェア・ドリブン検証」を実現できると強調している。

日本シノプシス合同会社

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =

(2011/07/21 )

 

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