【EDSF2011】米Zocaloのアサーション生成ツール日本上陸か?-シンコムが参考出品
パシフィコ横浜で開催されたElectronic Design and Solution Fair 2011のレポート。
新興ベンダエリアの一角にブースを構えていたシンコム社は、米Zocalo Tech社のアサーション自動生成ツール「ZAZZ」を参考出品していた。
シンコム社の林社長によると、未だ正式決定ではないようだが、シンコム社がZocalo社製品の代理店となる方向で調整中との事。注目度の高いアサーション自動生成ツールとあって、話を聞いている傍からZocalo社製品のブローシャを持ち帰る人が多かった。
Zocalo社は、昨年のDAC2010でEDA市場デビューを果たした新興EDAベンダで、設立は2006年で本拠地はTexasのAustin。同社のアサーション自動生成ツール「ZAZZ」はGUIベースのSVAアサーション作成環境を中心に3つのオプション機能で構成されている。
GUIベースのアサーション作成環境「Zazz Visual SVA」は、グラフィカルな環境で直感的にSVAアサーションを作成できる点が特徴で、これまでのEDAツールとは一風変わったシンプルなGUIを使いSVAの知識が無くても複雑なアサーションを容易に作成できる。Zocaloは、直感的なGUIにこだわりを持っており、GUIの開発に力を注いでいる事はツールを見ればすぐ分かる。
「Zazz Visual SVA」によるアサーション生成の仕組みは、ツール側の解析エンジンが読み込んだデザイン内のシグナル数をチェックし、その重要度を解析しアサーション候補としてランキング表示する。ユーザーは示されたアサーション候補を指定するだけで自動的にSVAアサーションを生成できる。ツールへの入力はVerilogおよびSystemVerilogの全てのバージョンがサポートされており、生成したアサーションをチェックするためのテストベンチを自動生成できるほか、資産として持っている既存のSVAアサーションを取り込み「Zazz Visual SVA」上で利用することも可能である。
シンコムは、ルーマニアのAMIQ社の日本代理店として、e/SystemVerilogのフロントエンド環境「DVT」を販売している実績もあり、SystemVerilog検証ソリューションの一つとしてZocaloの製品も販売していく構えだ。
尚、シンコムではZocalo、AMIQの他に、Sagantic、MicroLogic、ClioSoft、ICScapeなど多彩なEDAツールを代理店として取り扱っている。同社の社長である林氏自身がSynopysやMagmaなどでAEとして活躍してきた人物で、フロントエンド/バックエンド問わず技術に明るい事から、技術サポート能力を持つ技術商社として各国のEDAベンダから代理店契約の依頼が集まってくるという。