【EDSF2011】Vennsaのバグ原因特定ツールに嬉しい「Triage」機能が追加される
パシフィコ横浜で開催されたElectronic Design and Solution Fair 2011のレポート。
Vennsa Technologiesは、バグの原因特定ツール「OnPoint」を手掛ける、昨年DACデビューを果たしたEDAベンチャー。初のEDSFairとなる今回、新興ベンダエリアにブースを構えていた。
Vennsaの「OnPoint」は、シミュレーションおよびフォーマル検証時のエラー情報から、その原因となるバグ候補を自動的に特定してくれるツールで、当該候補をソースコード上でピンポイントで示してくれる。フォーマル検証ツール、シミュレーターは、市販の名のある製品ほぼ全てに対応しており、メジャーなシミュレーターは「OnPoint」からキックすることも可能。VerilogおよびSystemVerilog、SVA、OVLをサポートしている。
サスペクツと呼ぶバグ候補の情報は、プライオリティの高い順にランキング式に出力され、その中には、バグ修正に関するヒントや波形情報も含まれている。概ね上位5番位までのサスペクツをチェックすれば、ほほ100%バグの原因を特定できるという優れものである。
今回のEDSFairでは、「OnPoint」の新機能「Triage」を紹介していた。
同社日本窓口の木村氏によると、新機能「Triage」はレグレッション・テストの初期段階での適用が効果的な機能で、複数のテストベンチを流して出てきた大量のエラー情報をバグの原因別に自動的にカテゴライズしてくれる。
仕組みとしては、「OnPoint」の解析したサスペクツを突き合わせる事により、同じバグから出たエラーを100%の精度でカテゴライズする。これにより、見た目は違っても一つのバグから出てくる複数のエラーに対処する事が可能で、概ね100程度のエラーを10種類程度に分類できるという。
木村氏によると、実際のデバッグ作業で「OnPoint」の有用性を確認したところ、人手作業と比較してデバッグ工数を35%程度削減できる事を確認。実際の設計現場で起こりうる手戻りを考慮すると最適なバグ修正が実現できる「OnPoint」の適用効果はそれ以上では?という事だった。
※画像はVennsa提供のデータ
尚、詳細は明らかにされなかったが、他社製ツールのプラグイン機能として「OnPoint」が組み込まれる話も持ち上がっており、将来的にはメジャーなツールに付属するデバッグ機能として「OnPoint」が利用される可能性もあるようだ。新機能「Triage」は現在β版という位置づけで、今年4月には正式リリースの予定である。