2010年4月26日、プロトコル処理の高速化ソリューションを手掛ける米CebaTech社は、サンノゼで開催中のESC2010(Embedded Systems Conference 2010)にて、ネットワーキングおよびストレージ・システム向けのアクセラレーション・ボードを発表した。
CebaTechは、元々IPベンダとしてオーディオ・コーデックのIPなどを提供していた会社で、後にIP開発で利用していた内製ツールを製品化。2006年に「C2R Compiler」という名のANSI-C入力の高位合成ツールをリリースしていた。
その後の経緯は不明だが、現在は、ネットワーキングおよびストレージ・システムをターゲットとしたプロトコル処理の高速化ソリューションをビジネスの柱としているようで、今回発表したFPGAベースのアクセラレーション・ボード「CebaFlex」とIP製品「CebaRIP」を提供している。
「CebaFlex」は、プロトコル処理をFPGA上で実行することで、CPU負荷の低減や消費電力の削減を実現する製品で、PCI Expressインタフェースを備え特定のCPUに依存せずに利用可能。プロトタイピング用途だけでなく製品としての利用も想定されており、カード・サイズのボードとして提供される。
設計者は、カスタム・プロトコルの実装にあたり、同社の提供するGZIP圧縮やAESなどの「CebaRIP」を利用できるほか、以前製品化していた「C2R Compiler」を利用していると推測される「ANSI-C Compiler」も利用可能。C言語で記述されたアルゴリズムを容易にFPGAに実装出来るという。
高位合成技術は、設計のパラダイム・シフトを狙った汎用的な展開を目指すEDAベンダが存在する一方で、ターゲットを絞り特定ニーズ向けにその技術の応用ソリューションを展開するベンダもあり、CebaTechはその後者にあたると言える。
|ページの先頭へ|