2010年3月15日、カスタム設計環境とHDLデバッグ環境を手掛けるSpringSoftは、アナログ/ミックスド・シグナル設計向けの2つの新製品を発表した。
SpringSoftが発表した新製品は、自動配置ツール「Laker Custom Row Placer」と自動配線ツール「Laker Custom Digital Router」の2製品。いずれも同社のカスタムIC設計環境「Laker」上でダイレクトに稼動するツールで、「Laker」上でデジタル・ブロックの配置・配線を実現するもの。
カスタム・デジタルブロックを含むカスタムIC設計では、これまではデジタル部分が少なかったこともあり、デジタル・ブロックの配置、配線は人手作業で進められる事が殆どだったが、デジタル部分が増えるにつれ自動化のニーズが高まっていた。自動化自体は、市販のデジタル配置配線ツールを利用すれば実現できるが、設計データをエクスポートする必要があり、ユーザーにとっては単一環境で全ての作業が完結できた方が当然嬉しい。
「Laker Custom Row Placer」は、2倍の高さのセルを含むスタンダード・セル、カスタム・セルの自動配置を可能としており、スタッキングやシェアリング、行分離や重複削除などの機能もあるほか、「Laker」と統合された包括的な編集機能を提供。もう一つの自動配線ツール「Laker Custom Digital Router」がそのまま使用できるデータを出力できる。
「Laker Custom Digital Router」は、グリッドベースおよびシェイプベース双方の配線が可能なハイブリッド・ラウターで、その対象を50K以下のセルに限定。OpenAccessデータベースにも対応しており、LEF/DEFのインポート/エクスポートが可能なほか、ポスト配線DRC機能、ビア/ダブルビア挿入、CMPなどDFM機能も装備されている。最初のリリースでは40nmルールをサポートし、将来的には28nmルールもサポートする予定だという。
SpringSoftによると、カスタムIC設計環境における「Laker」の世界的なシェアは15%程度。アジア圏でのユーザー数が順調に伸びており、日本市場を含めアジアを核としたシェアの拡大に期待を寄せている。
尚、「Laker Custom Row Placer」および「Laker Custom Digital Router」の正式リリースは2010年Q2の予定。ライセンスは3年間TBLで「Laker Custom Row Placer」は1年あたり35000ドル、「Laker Custom Digital Router」は1年あたり65000ドルとなっている。
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