2010年1月26日、メンター・グラフィックスは、同社の高位合成ツール「Catapult C Synthesis」がSystemCを入力とした合成機能をサポートした事を発表した。
今回メンターは、これまでC/C++入力の高位合成ツールとしてシェアを拡大してきた「Catapult C Synthesis」に、新たにSystemCのパーサーを追加。これによりサイクル精度のモデリングが必要なバスインタフェースやSoCインターコネクトなどをSystemCでモデリングし、「Catapult C Synthesis」で合成するという事が可能となり、従来からのC/C++入力の利点を活かした高抽象度モデルからの合成とサイクル精度モデルからの合成を組み合わせたフルチップ合成が実現できる。
一般的にアルゴリズムはC/C++で開発される事が多く、メンターの「Catapult C Synthesis」は、開発したアルゴリズムをそのまま合成出来るという大きなメリットを武器にユーザーを増やしてきたが、今回のSystemC合成のサポートにより、入力言語や入力モデルの抽象度を問わない「いいとこ取り」の高位合成ツールとして、更にその利用価値を高めたと言える。
メンターは同社のESLソリューションにおけるコア製品として、高位合成ツール「Catapult C Synthesis」の機能強化に力を注いでおり、この7年間で数々の機能アップを実現。昨年のDACでは、コントロールロジックの合成機能とローパワー設計機能のサポートを発表しており、今回いよいよSystemCをサポートしたことで、あらゆるデザインをフルチップで高位合成というフェーズに入った。
尚、EDA業界のアナリストGary Smith氏の報告によると、高位合成ツール市場は、2007年の$22.0Mから2008年は$29.5Mへと35%も拡大しており、メンターは過去3年連続でトップシェアを獲得しているという。
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