2010年1月12日、メンター・グラフィックスは、昨年リリースした同社の新製品「Calibre PERC」が米Electronic Products Magazine誌の「Product of the Year Award」を受賞した事を発表した。
Electronic Products Magazine誌の「Product of the Year Award」は、34年の長い歴史を持つアワードで、同誌の記者により数千の製品の中から選ばれた優れたエレクトロニクス関連製品を毎年表彰している。今年は計11種類の製品が表彰されたが、EDA製品として表彰されたのはメンターの「Calibre PERC」だけであった。
「Calibre PERC」は、メンターが昨年5月にリリースした新製品。「PERC]とは、Programmable Electrical Rule Checkerの略で、回路のトポロジカル・チェッキングを行う業界初のアプローチとしてメンターが打ち出した。
手法としては、回路図パターンとレイアウトを比較するLVSの派生で、回路図をゴールデンとするLVSの盲点をターゲットに回路図のトポロジカル・チェックを行う。例えばESD保護回路の回路構成などは、半導体プロセスによって仕様が様々で、回路図が仕様を満たしているかどうかを自動チェックする術はこれまでなかった。
チェックにあたっては、メンター独自のTCLベース言語「TVF」を用いてルールを記述。SPICEネットリスト(回路図)を入力としてチェックを行う。「TVF」はDRCで使用する「SVRF」を拡張したもので、簡単な表現でルールを記述し1行の記述で1つのルールをチェックする事が可能。DRCの約1/5-1/10の時間でデザインチェックが可能で、エラー箇所とエラータイプの両面をチェックし今まで隠れていたエラーを見つけ出すことができる。
※TVF:TcL Verification Format
※SVRF:Standard Verification Rule Format
メンターは「Calibre PERC」で実現する新たなチェック手法をDRC、LVSに次ぐ第三の手法として提唱しており、DRCクリーン、LVSクリーン、PARCクリーンなデザインの浸透を狙っている。
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