Electronics Design and Solution Fair 2009に出展していた図研/NECシステムテクノロジーのブースレポート。
NECシステムテクノロジーは、同社のC言語設計環境「Cyber Work Bench」の代理店である図研との共同出展。ブースでは「Cyber Work Bench」による最近の3つの設計事例を展示していた。
SONYの業務用CAMコーダ「PMW-EX1」に採用された、NECエレクトロニクス製ブリッジ・チップ「XBridge」を設計した事例は昨年のET2008でも紹介されたが、「XBridge」内のCPUコア「STPエンジン」の開発用にCyberを適用。「STPエンジン」は以前「DRP」と呼ばれていた動的再構成可能な独自のCプログラマブル・コアで、その専用開発環境の中にCyberの合成エンジンが組み込まれている。同環境はチップと合わせてNECエレクトロニクスから顧客に提供されているが、Cアルゴリズムから動作合成しマッピングするという技術はFPGAなどにも転用可能との事。
ドコモ製の3G携帯で使われているNECエレクトロニクス製の携帯向けLSI「Medity M1/M2」の事例では、同チップの大半のモジュールを「Cyber Work Bench」で合成。また、1月14日に発表されたばかりの同じくNECエレクトロニク製のSTB向けLSI「EMMA 3SL/LP」、「EMMA 3SL/L」の設計にも「Cyber Work Bench」を適用。同チップのうりであるSD放送対応に特化したH.264処理の部分を「Cyber Work Bench」で合成したという。
話を聞いたNECシステムテクノロジーの斉藤氏によると、「Cyber Work Bench」のLSI適用事例は既に数十品種に及んでいるとの事。来年初頭には新バージョンのリリースも予定していると聞いた。
尚、同ブース内での図研の展示コーナーでは、同社のC言語設計サービスに関する展示をしており、ネットワークカメラ向けのJPEG評価ボードの設計例を紹介していた。
話によると同社のC言語設計サービスでは、実際に「Cyber Work Bench」を使っているとの事で、これまでの実績では人手によるRTL設計と比較して約2/3程度の工数で設計を完了。Cyber用のガイドラインなども用意して本格的にC言語設計サービスを展開しているという。
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