Electronics Design and Solution Fair 2009に出展していたNascentric社のブースレポート。
ROCKET-FAST SPICEのキャッチフレーズで高速SPICEシミュレータを開発・販売するNascentric社の新製品OmegaSim GXは、nVidiaのTesla Graphics Processing Units (GPU)を使いハードウェアでSPICEシミュレーションを加速するというユニークな手法。
GPUには240個のプロセッサ・コアが搭載されており、これがシミュレーション加速のエンジンとなる。筐体はLinuxマシンのPCI Expressバススロットに装てんするだけ。
シミュレーションのメインコントロールはソフトウェア・シミュレータ側にあり、Non Linear solverとTime step controlをつかさどる。そしてSPICEシミュレーションの処理時間全体の中で80?90%と大部分を占めるtransistor evaluationをGPUがSIMD処理する。このハイブリッド構成で得られるシミュレーション速度はソフトウェアのみで実行したOmegaSim GXに比べ5倍から8倍高速。
ソフトウェア・シミュレータ自体もマルチスレッド対応になっているので、たとえば8CPUコアのLinuxプラットフォーム上でマルチスレッド・シミュレーションを実行し、各コアがおのおのGPUにアクセスし加速するという芸当も可能だ。
CEOのRahm Shastry氏は、以前Tharas SystemsのCEO としてVerilogハードウェア・アクセラレータHammerを販売していた。その経験がOmegaSim GXの製品開発に生かされている。
日本国内では株式会社ノアが販売している。
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※株式会社ノア(Nascentric社製品日本代理店)
= レポーター 山田佳子 =
レポータープロフィール:
EDAツールのアプリケーション・エンジニアとして業界の成長とともにフロントエンドからバックエンドまで幅広い設計技術を経験。
好奇心と情熱に突き動かされるまま、様々な活動を展開中。
わくわくする技術とビジネスを語り合いながら飲めれば幸せ。
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