Electronics Design and Solution Fair 2009に出展していたカーボン・デザイン・システムズジャパンのブースレポート。
カーボン・デザインでは、昨夏に英国ARM社から引継いだESLツール「Carbon SoC Designer(旧SoC Designer)」とRTLからのサイクル精度モデル自動生成機能で着々とユーザを増やしている「Carbon Model Studio」の2製品を展示。
ブースでは、アプリケーション・エンジニア・グループ ディレクターの大石 敏久氏が、Carbon Model Kit を使って生成したARM Cortex-A9プロセッサモデルを使ったCarbon SoC Designer 上でのARM RealView Debuggerと協調シミューレションを披露してくれた。
これらのCarbon SoC Designer用モデルは、Carbon Model Kit によって生成されたもので、ARM社から入手したRTLをもとに生成している為100%のサイクル精度が保持されているのが特徴。環境構築が短時間で可能な上、プレシリコンでの検証において、アーキテクチャ解析、バス性能解析、ファームウェア開発などがサイクル精度で実現可能であるという。
(図の説明)
左上から右へ順に Cortex-A9, PL310, PL301。左下 PL190。
Cortex-A9: ARM社製の最新CPUコア
PL310: ARM社製PrimeCell L2 Cache Controller
PL301: ARM社製PrimeCell AMBA 3 Interconnect IP (AXIバス)
PL190: ARM社製PrimeCell Vectored Interrupt Controller
ARMモデルについては、これらの4モデルにPL340(AXI SDRAM Controller)等を加えたものが1月末にベータリリースの予定で、今年9月までには、全てのARM CPUコア、バスIP、PrimeCellがラインナップするという。
<今後のリリースモデルのラインナップ>
・CPUコア:Cortex-A9, Cortex-A8, Cortex-R4, Cortex-M3,ARM11,ARM9,ARM7 (リリース予定順)
・バスIP:AXI, AHB, APB
・PrimeCell:PL301, PL310, PL340, 他
これらのモデルは、コンパイル済みモデルとしてユーザに提供されパートナーEDAベンダにOEMで供給される予定。
ARM以外のモデルについても、Carbon Model Studioのモデル生成機能によってサイクル精度のモデル検証が可能であるが、今後は他ベンダーのモデル提供も期待できそうである。
= EDA EXPRESS 特別レポーター =
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