2009年2月9日、シノプシスは、ラピッド・プロトタイピング環境「Confirma」の機能拡張を発表した。
シノプシスのラピッド・プロトタイピング環境「Confirma」は、昨年買収したシンプシシティ社のASIC検証ソリューションをベースとしたもので、プロトタイピング・ボード「HAPS」、FPGAへのインプリメント用のRTLパーテショニングツール「Certify」、TotalRecallテクノロジを搭載したFPGAデバッグツール「Identify Pro」によって構成されている。今回のシノプシスの発表はこれら既存の「Confirma」に、昨年ProDesign社から買収した「CHIPit」製品が加わったというもの。
シノプシス本社マーケティング及び事業開発部門のTom Borgstrom氏によると、シノプシスがターゲットとするハードウェアベース検証の市場は、いわゆるエミュレータと呼ばれる高額な大規模システムを除いたFPGAベースのプロトタイプボードを中心とした成長市場で、その理由として速さ、安さ、手軽さ(容易な利用)を指摘。「CHIPit」製品は、既存のプロトタイピング・ボード「HAPS」と同じFPGAベースのボードを主体としたものであるが、充実したソフトウェア環境を用いてエミュレータライクにデザインを検証したい場合は「CHIPit」、手間覚悟で実チップ並みのスピードを実現したい場合は「HAPS」と使い分けが可能だという。
「CHIPit」と「HAPS」は様々な違いがあるが、根本的な違いはボード上のFPGAの接続方法で、スイッチデバイスで複数FPGAを接続する「CHIPit」に対して「HAPS」は直接続。当然、「HAPS」の方が速度が出るがデザインのインプリは「CHIPit」の方がプッシュボタン式でイージー。「HAPS」は生身のボードであるため開発用の製品実機と接続して利用可能だが、「CHIPit」はそれが出来ない分、SCE-MIインタフェースや論理シミュレータとのブリッジ、C/C++/TCL APIなど他環境との接続インタフェースが用意されている。
60種以上用意されている拡張ボードは両製品に対して共通利用可能。現在「CHIPit」と「HAPS」は、2つの異なる製品として提供されているが、将来的にはソフトウェア環境も含めて統合されていく予定だという。
【EDSFレポート】シノプシス、ハードベースツールを拡充し検証環境は万全の体制
|ページの先頭へ|