Electronics Design and Solution Fair 2009に出展していたシノプシスのブースレポート。
シノプシスブースのトータル的なソリューション展示の中で目立っていたのは検証関連。まず目を引いたのが、昨年7月のシンプリシティの買収によって同社のソリューションに加わったASIC検証プラットフォームの中核製品「HAPS」と、昨年12月に独ProDesign社から買収した「CHIPit」の両製品の展示。
日本シノプシス、マーケティングの藤井氏に「HAPS」に加えて「CHIPit」を買収した背景について尋ねると、両製品はハードウェアベースの検証環境という意味では同じカテゴリの製品だがその用途は別。「HAPS」は、ASICのプロトタイピングやソフトの早期開発といったニーズに適しており、「CHIPit」は同社の論理シミュレータVCSとの協調検証やトランザクションベースの高速検証に適しているとの説明。両製品はいずれ統合される予定との事だが、用途に応じてハードベース検証環境を選べるのはシノプシスだけと強調していた。(ブース内にはHAPS/CHIPit用の様々なドータボードが展示されていた。これらをオプションで接続するだけで、様々なエミュレーション環境を構築できる。)
また、シノプシスの展開する検証メソドロジ「VMM」の近況を聞いたところ、依然勢い衰えず国内でのVMM採用は順調に進行中。つい先日新バージョンVMM1.1もリリースされ、VMMライブラリやアプリケーションを拡充。新たにマルチストリーム・シナリオ・ジェネレータ、トランザクタ・イタレータ、コマンドライン・オプション・マネージャが追加され検証生産性が向上。また、新しいVMMアプリケーションとして、パフォーマンス・アナライザ・アプリケーションも提供されたという。
藤井氏によると検証メソドロジ「VMM」、業界最多ラインナップを誇る「DesignWare検証IP」、システムレベルの検証環境「Innovator」、論理シミュレータ「VCS」、ハードウェアベース検証環境「HAPS」及び「CHIPit」と上流から下流まで、機能検証環境ソリューションをトータルに提供できるのは業界でもシノプシスだけ。色々なベンダからソリューションを集めるよりも、一つのベンダの統合ソリューションを導入した方が無駄な労力も無くなり、結果としてコストは安くつくとの事だった。
尚、シノプシスの旗艦製品「IC Compiler」は、新たな配線技術「Z‐ROUTE」のリリースによって更にユーザーを増やし、大手ではNEC、東芝、パナソニックに加えて富士通も導入。確実に国内でのシェアを伸ばし売上躍進の原動力となっていると聞いた。
|ページの先頭へ|