2008年7月1日、メンター・グラフィックス社は、今年2月に発表したインテリジェント・テストベンチ自動化ツール「inFact」の機能アップを発表した。
プレスリリース:http://www.mentorg.co.jp/news/2008/080701.html
発表によると今回メンターは、「inFact」に「Simulation Distribution Manager」と呼ぶ分散処理のマネンジメント機能を追加。機能仕様ルールか重複の無いテストパターンを自動生成するというコア機能に加え、インテリジェントな分散処理に対応した。
具体的には、各CPUやシミュレーションファーム全体でテスト・シーケンスを重複することなく大規模シミュレーションを複数のCPUに分散できるようになり、理論上、CPU1個で1000時間かかるシミュレーションをCPU100個で10時間で処理することが可能に。しかし、実際のシミュレーションでは、全てのCPUが同等の性能で、全てのCPUを100%使う事は不可能なため、「Simulation Distribution Manager」がシーケンス全体を小さい仮想スライスに分割し、CPUの利用状況に応じてスライスを割り当てるという形でCPUの稼動効率を高めてくれるという。
メンターの「inFact」は、テストパターンを作成する手間とテストパターンのバグを無くし、機能カバレッジの向上を実現するためのテストベンチ自動化ツールで、テスト項目と検証対象の機能仕様をルールとして入力すると、目的とするテスト項目に則した全てのテストパターンを自動生成することが可能。例えばUARTを検証対象とした場合、僅か20行程度のルールを記述するだけで、約160パターンある動作シーケンス全てのテストパターンをツールが自動的に生成してくれる。
メンターが業界でリードするインテリジェント・テストベンチ技術は、テストコストの増大を抑え、削減する新技術として注目されており、ITRSのロードマップでは、2011年の実用化が想定されている。
※ITRS:International Technology Roadmap for Semiconductors
http://www.itrs.net/
※メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社
http://www.mentorg.co.jp
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