第45回DACに出展していたMentor Graphics社のブースレポート。
Mentorの今年の一番の話題は、配置配線ツール「Olympus-SoC」とレイアウト検証ツール「Calibre」の組み合わせによる、次世代のインプリメンテーション・ソリューションの発表。Sierra社の買収から約1年を経てついに実現したという「Olympus-SoC」と「Calibre」の強力な結合について、メンター・ジャパンCalibre部門AEマネージャーの青木氏に聞いた。
青木氏によると、「Olympus-SoC」と「Calibre」は買収前からツール間の連携を実現していたが、これまでバッチで流していたツール間のやり取りを今回の統合では完全にシームレスに結合。配置配線→レイアウト検証→エラー修正という一連の処理を「Olympus-SoC」のGUI上で実行可能で、「Calibre」で見つけたエラー箇所の修正はなんとプッシュボタン実現。このエラー自動修正機能は、MCMMエンジンの解析結果を考慮しながら実行され、45nmデザインであれば、ほぼ100%近くエラーを修正できるという。
青木氏曰く、両ツールの結合は、「今まで蓄積してきた実績の有るCalibreのルールを設計でも利用しよう」という考えがベースとの事で、単純に配置配線結果をサインオフ検証に流すという一方通行の話ではなく、設計?検証間のイタレーションを実現している点が肝。殆どの設計者が最後の最後には「Calibre」でチェックしている現実を考えると、その結果からのレイアウト自動修正機能を喜ばない人は恐らくいない。
尚、話によると、「Olympus-SoC」によるテープアウト実績は既に3ケタを超え、日本でも年内には最終製品が市場に出回るのでは?との事。MCMMの収束性、処理の速さに加え、サインオフ検証との密接な結合という強力な武器を手に入れたMentorのインプリメント・ソリューション。その市場へのインパクトは計り知れない。
その他、インプリメント/DFM関連では、メンター自社開発のCMPシミュレータ「CMP Analyzer」を新製品として今回のDACで初披露。これにより、DFM関連では唯一弱かったCMPのシミュレーションも可能となり、顧客に対して磐石なDFMソリューションを提供できるようになる。
※Mentor Graphics社
http://www.mentor.com
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