検証環境の信頼性をチェックするという、EDAの世界では新しい切り口のツールで注目を集めている米Certess社。明日からのEDSFair2008出展(エッチ・ディー・ラボ社ブース)の前に同社CEOのMichel Courtoy氏、CTOのMark Hampton氏に話を聞いた。
Mark Hampton氏によると、Certessの検証環境評価ツール「Certitude」は、「PDCAサイクル」と呼ばれる製造業における品質管理マジメントサイクル(Plan:計画、Do:実施、Check:評価、Act:改善)をベースに、「品質管理を行うためには測定手段が必要」という考えに基づいて開発されたツールで、元々はCertess社が提供していた検証コンサルティングサービスに利用する内製ツールとして作られたとの事。
「Certitude」の新しい点は、デザインを直接検証する訳ではなく、「Functional qualification」という手法を用いて、検証環境の信頼性そのものを客観的に評価するという点で、Certessの手法を追うように同種のEDAツールを開発し始めたEDAベンダも出てきてはいるが、現状は業界に一つしか存在しないツールであるという。
ツールの利用方法について聞いたところ、「Certitude」を使うにあたって用意するものは、HDLシミュレータ(市販シミュレータをサポート)、対象デザイン(格納先ディレクトリを指示)、コンパイルスクリプト、テストベンチの4つで、対象デザインを静的に解析した上でシミュレーターを走らせレグレッションに必要な情報を収集(シミュレータとCertitudeはAPIで接続)し、意図的にバグを埋め込みその検証環境/テストベンチでバグを検出可能かどうか確認する。この手法は「ミューテーション解析」と呼ばれる、ソフトウェアの世界では30年来利用されている技術を応用したもので、結果としてデザインの非活性部分に潜むバグを減らし、検証品質を向上できるようになる。
尚、ツールの評価自体は非常に短い工数で可能で、実際のチップデータを用いた評価でも1週間もあれば十分という事で、顧客の中には1日で評価を完了したというケースも幾つかあるという話だった。
CEOのMichel Courtoy氏に聞いたところ、日本でも既に評価を終えて「Certitude」の有用性を確認した企業が複数あるらしく、日本での導入事例の発表も遠くはないとの事。海外では既にSTマイクロ、CiSCO、HP、TI、Juniper Networksなど大手が「Certitude」を採用しており、日本企業にも評価でその性能を確認し、是非設計の現場で広く活用して欲しいと語っていた。
ちなみにCertessは、昨年末にベルギーのベンチャーキャピタル「QUEST FOR GROWTH」から100万ドルの資金を調達しており、営業、マーケティング活動に力を注ぐとしている。
※「Certitude」に関する詳細は、日本代理店の株式会社エッチ・ディー・ラボにお問い合わせ下さい。
http://www.hdlab.co.jp
※Certess社
http://www.certess.com
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