2006年1月8日、ANSI-Cベースの動作合成ツールを手掛けるEDAベンチャー、米CebaTech社は、同社初のEDA製品「C2RTL Compiler」のリリースを発表した。
プレスリリース:http://www.cebatech.com/press.php?pid=14
CebaTech社は、ニュージャージーに本拠を置く2004年設立のベンチャー企業で、EDAツールの他にネットワーク&コミュニケーション関連のIP開発も手掛けている。昨年開催された弟43回DACでは、初出展のEDAベンダとしてスイートスペースのみを借り、今回正式リリースされた「C2R Compiler」をひっそりと特定顧客のみに紹介していた。
※関連ニュース:「【DACレポート】米CebaTech、完全Cベースの「C2R Compiler」でESL市場に参入」
http://www.eda-express.com/news/?m=p&idno=593
CebaTechの「C2R Compiler」は、ANSI-Cベースの動作合成ツールで、ANSI-Cで記述されたコードから論理合成可能なVerilog-RTLを自動的に合成することが可能。合わせてサイクルアキュレートなCモデルも出力でき、それを利用する事でCの環境で合成結果を検証することができる。
ハードウェアを合成するにあたっての制約条件や指示は、構文を拡張する事無く元のCコードを直接手直しする形を取り、主なターゲットはシステムレベルのトレードオフを目的としたFPGAプロトタイピング。Cの環境で合成後の検証までを行う事で、RTL検証にかかる時間的コストを削減し、TAT短縮と同時にソフトウェア技術者によるハードウェア・インプリメンテーションの実現を目指す。
「C2R Compiler」は、ソフトウェア技術者をその利用ターゲットとして捉えており、ありがちな入力するCコードに対する制約条件は特に設けられておらず、ポインタやグローバル関数など、ソフトウェア開発者が書くネイティブなCコードを利用する事が可能。全てをC環境で行うというアプローチは、NECのC言語設計環境「CWB」の「ALL-in-C」という考え方に良く似ている。
※CWB:Cyber Work Bench
CebaTechによると、「C2R Compiler」は、元々自社製品(オーディオ・コーデック)のIP開発に利用されていたツールを製品化したもので、自社内で10Gアプリケーション向けのTCP/IPスタックを合成した実績もある。テープアウト実績は未だ無いが、一部情報によると、既にベータサイトとして3社が導入しているという。
尚、「C2R Compiler」の米国販売価格は14万5000ドルから。日本国内に向けたCebaTech社製品の販売チャネルは、未だ存在していない。
※CebaTech社:
http://www.cebatech.com
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