2006年12月12日、ファブレスASICベンダーの台湾アルチップ・テクノロジーズは、世界最速となるスーパーコンピュータ用プロセッサのシリコン設計を最初の試作で成功したことを発表した。
プレスリリース:http://www.alchip.com/jp/news_press_07.htm
今回アルチップが試作に成功したのは、TSMCと共に東京大学を中心に進められている、世界最高速のスーパーコンピュータ開発プロジェクト「GRAPE-DR」の中心となるプロセッサ(開発コード名:SING)で、1つのチップにコプロセッサを512コア搭載し、1チップでは世界最高となる512G FLOPSの演算性能を実現する。
「SING」プロセッサは、TSMCの90nmジェネリックプロセスとフリップチップ?パッケージ?テクノロジーを使用して試作。60Mのロジックゲートを内蔵している上、チップ全体の動作周波数が500MHzと、市販のEDAツールでの限界を超えていたため、アルチップは独自の設計手法である「分割統治法(divide-and-conquer)」を採用し、デザインを数百ものサブブロックに分割した上で3階層に配置した。
また、最小グローバル?クロック?スキューを達成するために独自の設計手法「フィッシュボーン?クロック?ストラクチャー」を利用することで、18mm×18mmのダイサイズでチップの深刻なばらつきを避けながら、高性能を実現。「500MHz/50ワット以上の消費電力」を実現するために、ロジック設計者やフィジカル設計者、電気設計者の間の洗練されたシナジー効果が要求されたという。
「GRAPE-DR」プロジェクトでは、2008年までに、「地球シミュレータ」の約50倍となる2&knm000兆/秒(2PFLOPS: 1秒間に2000兆(2京)回)という超高速計算の達成と、40Gbpsネットワークを利用した科学技術研究データ処理システムの構築を目指している。
※アルチップ・テクノロジーズ日本支社
http://www.alchip.com/JP
※「GRAPE-DR プロジェクト」に関する詳細はこちら
http://grape-dr.adm.s.u-tokyo.ac.jp
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