米マグマ・デザイン・オートメーション社は、DAC会場最大級のスペースで各製品ごとのスイート対応を実施。4月に発表した次世代インプリメンテーション環境「Talus」のデモを一般顧客に初披露していた。
「Talus」は、マグマ既存のインプリメンテーション環境「Blast Fusion」を65nm/45nm向けにエンハンスした、マグマの次なるフラッグシップ製品で、フルチップ・シンセシス環境「Talus LX」と物理設計環境「Talus PX」の2製品がラインナップされる。
「Talus」は、様々な機能の統合による完全な自動チップ生成、大規模データ対応、複数CPUでの自動分散処理などによって、あらゆるサイズのデザインをRTLからGDS-IIまで「僅か2日」で完成可能とうたっているが、現場のエンジニアからは「DFTを考慮したインプリメントが可能」という面でも注目されており、インプリメンテーションフローを通じて、デザインのテスト容易性を向上可能な点も大きな特徴となっている。
また、既にTSMC標準となっているDFM考慮の検証ツール「Quartz DRC-litho」、シリコン精度のタイミング解析ツール「Quartz SSTA」といったサインオフ品質のバックエンドツールの結果を「Talus」にバックアノテーションする事で、65nm以降の設計をターゲットとした強力なDFM考慮のインプリメンテーションフローを構築可能。マグマの強みの一つである、デファクトのキャラクタライズ・ツール「Silicon Smart」がDFMフローの実現をバックアップしている。
話によるとマグマの今後の方向性としては、「Talus」にSTAやDFM関連の機能を順次追加していく予定で、9月に正式リリースされる「Talus」を主力に日本を中心とした中国などアジア市場の攻略を目指していくとの事で、90年代から開発してきた同社のインプリメンテーション環境は今が一番熟して「美味しい時期」と市場攻略における自信を伺わせていた。
最近の日本市場における状況を聞いたところ、製品の新規採用よりも既存ユーザによる追加ライセンスの購入が目立っており、ハイエンド製品や大規模デザインの設計に向けて、マグマ製品を積極的に利用する顧客が増えてきているという。
その他、マグマのブースでは、ACAD社の買収によって製品ラインナップに加わった回路シミュレータの最新版「FineSim Pro」も初公開されていた。この製品は回路シミュレーションのパラレル処理に対応しており、精度を劣化させることなくCPUを増やすことでリニアに処理速度を向上できるとしている。
※マグマ社製品に関する詳細は、マグマ・デザイン・オートメーション株式会社にお問い合わせ下さい。
|ページの先頭へ|