2006年7月24日?28日の5日間、カルフォルニア州サンフランシスコのMoscone Centerにて「第43回Design Automation Conference」(DAC)が開催された。
今回のDACで最も熱かったのは、「ESL(Electronic System Level)」分野の話題で、会期中に行われた計62のセッションのうち、16セッションはESLに関連した内容のものであった。
ESLに関連したセッション、パネルディスカッション、EDAベンカのミーティングは、見渡した限りどこも多数の参加者が詰め掛ける盛況ぶりで、初日のチュートリアル「ESL Design Methodology Using SystemC」は、SystemC2.2リリース直後のタイミングという事もあり日本からの参加者も目立った。
また、「VCはEDAを見放した」と関係者の間でも話題なった、初日のJoe Costello氏(元ケイデンスCEO)のキーノートスピーチでは、今後のEDA業界の可能性の一つとして「ハードとソフトの融合」=ESL分野の重要性が示唆されたほか、ガートナー社の著名なEDAアナリストGary Smith氏は、パネルセッションにて組み込みソフト開発者をターゲットとしたESLツールの大きな可能性について触れた。
DFMとLowPower(低消費電力化)関連は、ESLに次ぐ大きな話題として合わせて20以上の関連セッションが行われ、中でもリーク電流の解析・最適化を中心とした低消費電力化に関する内容が多く見られた。
また、展示エリアでの製品展示においてもDFMとLowPowerというキーワードは至るところで見られ、今年初出展の44社のうち17社はDFM及びLowPower関連のソリューションを提供する企業。会場全体でも半数以上のEDAベンダは、ESL、DFM、Power関連のどれかという印象が強かった。
展示されていた製品を見ると、当然ながらESL関連のツールはRTLよりも上流工程、DFM関連のツールは配線以下のバックエンド工程と適用工程を明確に区別する事ができるが、LowPower関連のツールに関しては下流工程向けのソリューションに限らず、上流工程向けの消費電力対策ソリューションも出てきており、VaST Systems、Atrenta、Sequence Design、などがLowPowerをキーワードとした製品展示を行っていた。
立ち見客の出る盛況ぶり。日本からもディークルーテクノロジー社の菊田 和義氏がパネリストとして参加していた。
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