2006年5月8日、メンター・グラフィックスは、アサーションベース検証に対応する同社の検証環境「Questa」の新バージョン6.2をリリース。合わせてシステムレベルからRTLまでをサポートする、業界初のオープンソースの検証メソドロジ「AVM」(Advanced Verification Methodology)を発表した。
プレスリリース:http://www.mentorg.co.jp/news/2006/060509.html
今回発表された「AVM」は、複雑化するデザインの検証を効率良く行うための新たな検証手法で、ランダムテスト生成、ファンクショナルカバレッジ、アサーションといった検証テクニックを誰もが容易に使用できるようカバーするもの。
RTLだけではなくTLMベースのシステムレベル検証にも対応し、利用者を限定しないオープンソースとして公開される点が最大の特徴で、SystemVerilogに足りないTLM部分と、SystemCに無いカバレッジの部分を補い、両方の言語で扱えるよう開発されており、言語の壁を越えてシステムレベルの設計者とRTL設計者とのギャップを埋めるソリューションとなる。
「AVM」は、オブジェクト指向のTLMベースのモードとHDLスタイルの概念を用いたハイブリッドモードの2種類が選択可能で、オブジェクト指向に馴染みの薄いRTL設計者も利用し易く、そのモジュール化されたアーキテクチャによって、テストベンチの記述量が削減できると同時に、作成したコードを効率良く再利用することもできる。
オープンソースとしてWeb上で公開されるソースコードは、基本クラスライブラリや各種ユーティリテが含まれており、これらはメンターのツールに依存せず、他社の検証環境においても利用することが可能。その他にメンターからは、「AVM」を用いた検証を解説する「Verification Cookbook」も無償で提供されるという。
当然ながら、バージョンアップされた「Questa」は、「AVM」を利用するための最適な検証環境として、アサーションエンジンをはじめとした様々な検証機能が装備されており、今回のバージョンアップの大きな目玉としては、「UCDB」(Unified Coverage Database)と呼ばれる、統一されたカバレッジ・データベースが採用された。
「UCDB」は、Questa 6.2プラットフォームが生成したあらゆる検証カバレッジ・データ(0-InやSeamlessツール群などメンターの他の検証テクノロジを含む)を統合管理するデータベースで、メンターは、この「UCDB」を用いたカバレッジ解析により、無駄なシミュレーションサイクルを無くし、検証効率を改善できるとしている。
また、メンターは今回の一連の発表と合わせて、Questaをベースとしたサードパーティ企業との提携プログラム「Questa Vanguard Program (QVP)」の立ち上げを発表。各企業との連携により、検証関連ツールおよび手法、検証IP、変換サービス、トレーニングおよびコンサルティング等を提供し、メンターの検証テクノロジを拡大する方向性を打ち出した。
メンターによると「QVP」の加盟企業は既に26社を数え、日本企業としては、株式会社エッチ・ディー・ラボが名を連ねているという。
※「Questa」、「AVM」、「QVP」、ほかメンターの検証ソリューションに関する詳細は、メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社にお問い合わせ下さい。
http://www.mentorg.co.jp
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