2006年3月6日、ESLツールベンダ大手のコーウェアは、「Platform-driven ESL Design」を実現するSystemCベースの既存の製品ファミリを、一つの製品ラインナップに統合する事を発表。既存の製品名を一新した。
プレスリリース:http://www.coware.co.jp/news/2006/2006.03.062.html
コーウェアはこれまで「ConvergenSC」を核に、SystemCベースのHW/SW協調設計・協調検証やSoCのアーキテクチャ探求のニーズに対応し、それに付随するカスタムプロセッサ設計やアルゴリズム設計についても、「LISATek」や「SPW」といった製品を提供する事で対応を進めてきた。
しかしここ数年、民生機器における製品アーキテクチャの複雑化に伴い、個別の製品開発よりも様々な製品への適用が可能な「製品プラットフォームの開発」に注力する企業が増加。それらのニーズに対応する既存製品をベースとしたコーウェアの「Platform-driven ESL Design」ソリューションは、費用対効果に優れ、すでにESL設計における大きな一つの流れとなっている。そのような背景をふまえ、今回コーウェアは、ESL設計ソリューションとしての統一された環境構築を目指し、既存の製品および技術を「Platform-driven ESL Design」ソリューションの環境下に統合した。
コーウェアの「Platform-driven ESL Design」ソリューションは、プラットフォームベース設計を効率良く行うためのSystemCベースのESLソリューションで、その導入によってシステムレベル設計における様々な問題を解消することができる。中でも大きなメリットと言えるのは「トランザクションレベル・モデルの再利用性」で、SystemCトランザクションレベル・モデルで構築した開発プラットフォームを、トランザクタを用いる事で設計の各プロセス/各抽象度で利用することが可能。更に、バスやトランザクタを入れ替える事によって、その開発プラットフォームを他の設計プロジェクトへ再利用することもできる。これにより、これまで設計プロジェクト毎に様々な抽象レベルで作成されてきた、非効率なプラットフォーム開発を無くし、生産性の向上と同時に開発コストの削減も可能となる。
また、プラットフォームの構築は、用意される様々なライブラリやサンプルによって包括的に支援されるほか、カスタムプロセッサや信号処理アルゴリズムの開発、開発したそれらモデルのプラットフォームへの取り込みも、同一の環境下でシームレスに行う事が可能。設計者は、これらの技術を組み合わせ、より効率よくプラットフォームアーキテクチャをモデリングし、システム・パフォーマンスの評価と最適なアーキテクチャの探求を行う事ができるようになる。
コーウェアの発表した新しい製品ラインナップの各製品名は、以下の通り。
■CoWare Platform Architect (旧ConvergenSC Platform Architect):
プラットフォーム全体のモデリングとパフォーマンス解析を行うためのSystemCベースの
HW/SW協調設計、協調検証環境
■CoWare Model Designer (旧ConvergenSC Model Designer):
IPブロックを設計・検証するためのSystemCベースモデリングおよびシミュレーション環境
■CoWare Model Library (旧ConvergenSC Model Library):
プラットフォームで使用される汎用プロセッサ、バス、ペリフェラルモデルの豊富なライブラリ群
■CoWare Processor Designer (旧LISATek Processor Designer):
プラットフォームに取り込めるカスタムプロセッサやプログラマブル・ハードウェア・アクセラレータの
開発環境
■CoWare Signal Processing Designer (旧SPW):
複雑な信号処理アルゴリズムの設計および解析を行うアルゴリズム開発環境。
開発したアルゴリズムをSystemCブロックとしてエクスポートし、プラットフォームに取り入れることが可能。
その他、コーウェアは、今回の発表と合わせて「Platform-driven ESL Designソリューション」に関連する3件の発表を行っている。
CoWare Signal Processing Designer(旧SPW)をベースにした、高度なワイヤレスアプリケーション向けのPlatform-Driven ESL Designフローをリリース
http://www.coware.co.jp/news/2006/2006.03.061.html
ARM社との契約を延長し、ARM 7、ARM 9、ARM10、ARM11、Cortexなど各ARMプロセッサのSystemCモデルをユーザに引き続き提供。今後ARM社によって開発されるIPに関してもタイムリーにリリース
http://www.coware.co.jp/news/2006/2006.03.063.html
アルゴリズム開発ベンダiDeaWorks社と複数年OEM契約により、H.264をはじめとしたCoWare Signal Processing Designer(旧SPW)向けの複雑なアルゴリズムリファレンスモデルをサポート
http://www.coware.co.jp/news/2006/2006.03.064.html
※「Platform-driven ESL Design」ソリューションに関する詳細は、コーウェア株式会社にお問い合わせ下さい。
http://www.coware.co.jp/
|ページの先頭へ|