2006年3月8日、MATLAB関連のESL設計ツールを提供する米Catalytic社は、同社のMATLAB高速シミュレータ「Catalytic RMS」を米Doradus Technologiesが採用したと発表した。
プレスリリース:http://www.catalyticinc.com./literature/Doradus-News-Mar06.pdf(英文)
Catalyticは、2001年に設立されたシリコンバレーに本拠を置くEDAベンチャー。創設者であるRandy Allen博士は、コンパイラ技術の専門家として20年以上のEDA業界のキャリアを持ち、シノプシスや現Forte社の前身SynApps社に在籍していたこともある。
Catalyticのターゲットは、MATLABを用いた信号処理設計のインプリメントフローで、ソフトウェア開発者とハードウェア開発者の両者に、アルゴリズム開発後のインプリメントを支援するポイントツールを提供している。
今回、コミュニケーション技術の研究開発やIP、SoC設計を手掛ける、米Doradus Technologiesが採用した「Catalytic RMS」は、MALTABコードを高速にシミュレーションできるハードウェア開発向けのツールで、MATLABコードをCコードに書き換えることなく、MATLAB環境よりも10?1000倍高速なシミュレーションが可能。Doradus TechnologiesがデジタルTV放送で用いられる「8-VSB receiver model」のシミュレーションに「Catalytic RMS」を使用したところ、MATLAB環境よりも30倍以上高速なシミュレーションを実現できたという。
その他、「Catalytic RMS」には、アルゴリズムの浮動小数点を固定小数点化できる機能も備えられているほか、MATLAB環境にシームレスに接続することも可能で、ハードウェアをターゲットとしたアルゴリズム・シミュレーションを強力に支援している。
またCatalyticは、「Catalytic RMS」のほかにハードウェア・ターゲットの「Catalytic MMG」のリリースを予定中。このツールはMATLABコードから検証用のビット・アキュレートなCコードを自動生成する機能を備える予定だという。
尚、「Catalytic RMS」の米国販売価格は、1年間ライセンスで15000米ドルから。現在のところCatalytic社製品の国内販売代理店は存在していない。
※Catalytic
http://www.catalyticinc.com
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