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【EDSF2006】FPGA/PLD Design Conference パネルセッション>>「FPGAは組み込みシステム設計の本命になるか!?」

「第13回FPGA/PLD Design Conference」のパネルセッション『FPGAは組み込みシステム設計の本命になるか!?』が1月26日に開催された。今年は無料という事もあってか、イブニングセッションとして17:30?19:30と遅い時間帯に開催されたにも関わらず、多数の聴講者がセッションに訪れた。

パネルセッションのモデレータを務めたのは、FPGA/PLD Design Conferenceの実行委員長である三菱電機の松本氏で、アルテラの堀内氏、ザイリンクスの西村氏、ラティスの佐藤氏、東京エレクトロニックシステムズの山崎氏、コニカミノルタの佐藤氏、東海大学の清水教授の6名がパネラーとして参加した。

パネルセッションの議論の中心は、タイトル通り、ここ数年で急速に高性能化・低コスト化が図られたFPGAが、今後は組み込みシステム設計の本命となっていくのか?また、なり得るのか?というもので、
そこから派生して「ハード設計者とソフト設計者の役割分担」、「FPGAとマイコンのコストの壁」、「ハード設計者とソフト開発者の環境の壁・人材の壁」、などについて熱い議論が交わされた。

印象的だったのは、ハード設計とソフト開発の役割分担に対するコニカミノルタ佐藤氏の意見で、「ハードとソフトの垣根を考えてしまう事自体が良くない。生産性を上げるためには、ベルトコンベア方式のような分業ではなく、ハードもソフトも一人の設計者やチームで設計を完了させる屋台方式が重要ではないか?」というもの。

また、ソフト開発者にハード設計を教育できるか?という話について発せられた「大事なのはきっかけ。とにかく少しでもソフト開発者がハード設計に触れる機会を与える事が重要。ハード設計の楽しさを伝えなくしてソフト開発者にハード設計を教育する事は出来ない。」というザイリンクス西村氏のコメントも印象に残った。

当然ながら、明確な答えの出るような簡単なテーマではなく議論は様々な方向へと流れたが、パネルセッションを通じて、組み込み設計におけるFPGAについては、立場によって様々な意見や要望、期待、そして熱い想いがある事をうかがい知る事ができた。

各パネラーが最後に発したまとめのコメントは以下の通り。

・コニカミノルタ佐藤氏
「マイコンの置き換えではない、FPGAを用いた新しいシステムを今後も作っていきたい」

・東京エレクトロニックシステムズの山崎氏
「積極的にFPGA及びFPGAに搭載される組み込みプロセッサを活用していきたい」

・東海大学清水教授
「FPGAはハード設計の教育には無くてはならないもの。今後も積極的に利用していきたい」

・ラティスセミコンダクター佐藤氏
「ユーザのために、ユーザが設計し易い製品を提供していきたい」

・ザイリンクス西村氏
「Cでハードを動かすきっかけが重要。そのための環境を提供していきたい」

・アルテラ堀内氏
「製品や開発環境など、ユーザに対する複数の選択肢を与え続けていきたい」

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =

(2006/01/29 )

 

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