【SNUG Japan 2018】先端プロセスデザインの強みとAIベース設計への挑戦:Synopsysのキーノート
2018年6月13日、Synopsysはユーザーミーティング「SNUG Japan 2018」を品川のホテルで開催した。
ここではイベントの冒頭に行われたSynopsysによるキーノートについてレポートする。
シノプシス Fusionプラットフォームが実現する最高の結果品質と開発期間短縮
Synopsys, Inc. Design Group Sr. Director of Marketing Sanjay Bali
同キーノートは発表間もない「Fusion Platform」の話題を中心としたもので、先端プロセス・デザインにおける同社の圧倒的な実績を示しつつ、「Fusion Platform」によってその強みを更に拡張するという同社のメッセージが色濃く出ていた。
先端プロセス・デザインにおけるSynopsysの実績
今年3月に発表した「Fusion Technology」は大きく4つある。
・Design Fusion:共通の設計エンジンによる論理合成と配置配線の融合
・ECO Fusion:配置配線工程におけるサインオフ技術の融合
・Signoff Fusion:サインオフ工程とデザイン最適化工程の融合
・Test Fusion:テスト容易化のためのRTL解析と論理合成の融合
「Fusion Technology」は文字通りツールや技術を融合させる事で作業の境界を無くし、設計のやり直しやイタレーションを防ぐことを目的にしている。
論理合成と配置配線のDesign Fusionによる恩恵。デザインによりエリア、パワーを削減。タイミングが改善された事例もある。
ECO Fusionは「IC Compiler」と「PrimeTime」間のイタレーションを無くす。
ECO FusionによってTATを30%削減した事例もある。
Signoff Fusionは業界デファクトとなっているAnsysのダイナミック・パワー解析ツール「RedHawk」をフローに取り込む。「RedHawk」をFusionできるというメリットは非常に大きい。
「RedHawk」を用いたSignoff Fusionの恩恵。
Test Fusionは「SpyGlass DFT ADV」を用いてDFT違反のチェックやATPGカバレッジに見積もりなどを行う。
講演の最後にはMachine Learningを用いたツールの機能向上に関するSynopsysの取り組みが紹介された。既にML技術を実装している「PrimeTime」に続いて「IC Compiler II」、「HSPICE」、「IC Validator」においてもML技術の適用に取り組んでいるとの事。またツールのエンハンスとは別にパラメータ設定アプリ、デバッグアプリ、フロアプラン探索アプリなど設計フローの中で縦断的に利用できるML技術ベースのアプリ開発も進められているという。
※画像は全てSynopsysの公開データ