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リコーがソフト開発でEVEの「ZeBu」を採用ESLコ・エミュレーションを実現-SCJ2012で講演

2012年7月11日、ハードウェアベースの検証ソリューションを手掛ける仏EVE社は、リコーが同社のエミュレーション環境「ZeBu」を採用した事を発表した。

プレスリリース文

今回リコーが「ZeBu」を採用しどのように活用したかについては、先日開催されたセミナー「SystemC Japan 2012」にて、リコー コントローラ開発本部 CH開発センター 守田直也氏がユーザー事例として講演した。講演タイトルは「SystemCで"つなぐ"上流設計」。

守田氏らのチームは、アーキテクチャ検討、ソフトウェア早期開発、高位合成と目的別に作っていたSystemCのモデル、環境をうまく「つなぐ」事でより効率的なESLフローを構築出来ると考え、アーキテクチャ検討とソフトウェア早期開発を繋ぐフローの構築に取り組んだ。具体的には、アプリケーション動作を意識した性能検証やバスの性能検証など、アーキテクチャ検討で使用したプラットフォームをOS開発やデバイス・ドライバ開発といったソフト早期開発に活用。モデル資産を上手く共有する事で、RTL検証も含めたSystemCベースの一貫したESLフローを確立した。

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※画像はリコー守田様の講演データ

EVEのエミュレーション環境「ZeBu」が利用されたのはソフト早期開発とRTL検証で、ソフト早期開発においては、その中心としてリコーが利用しているSynopsysの「Platform Architect」と組み合わせて利用された。具体的にはターゲットとするシステムのGPU部を「ZeBu」に搭載し、「ZeBu」と「Platform Architect」をつなぎESLコ・エミュレーションを実現した。

ESLコ・エミュレーション環境の構築は、ソフト開発者から求められるシミュレーションの速度および精度に応えるために行った工夫で、既存のRTLモデル(事例ではGPU)を活かす事でESLモデルの開発時間とバグ発生のリスクを無くす事が可能。守田氏によると、ESLコ・エミュレーションの環境構築は1週間程度で完了し、実際にデバイス・ドライバの検証に活用したという。

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※画像はリコー守田様の講演データ

またリコーではRTLの検証においても検証速度の向上を目指して「ZeBu」を活用しているが、既存のシミュレーション環境との使い分けを想定して、テストベンチはホスト側(シミュレーター)、DUTをエミュレーターに載せる形をとっているとの事。守田氏によると、ここで作ったDUTはソフト開発にもフィードバック可能で、文字通り「つなぐ上流設計」の実現に貢献するという。

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※画像はリコー守田様の講演データ

守田氏は、つなぐのはツールだけでなくあらゆる資産をと、チーム内で開発した資産をつなぎ合わせる事が重要と語っていた。

日本イヴ株式会社

 

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