HDL(Hardware Description Language; ハードウェア記述言語)によるRTL記述ではなく、C/C++言語やSystemCを用いて、より高い抽象度で記述されたコードを入力することで設計効率の飛躍的な向上を実現する高位合成手法が現在、広く用いられています。位合成ツールの進歩とユーザ・ノウハウの確立により、「所望の回路を生成する」という"設計"フェーズでの高位合成ツールの有効性は、確かなものになりました。では、高位合成ツールの出力結果の回路と、ハンドコーディングしたRTL記述のブロックを組み合わせた論理検証のフェーズについては、いかがでしょうか?
高位合成ツールの対象となる回路の多くが演算ブロックなどのデータパス系であるため、出力される回路規模はどうしても大きくなりがちです。特にそれらを複数組み合わせたサブブロックレベル以上の論理検証フェーズでは、そのRTLシミュレーション時間が非常に長くなるため、高位合成設計検証フローにおける大きな問題になっています。
■SystemVerilog DPI-CとSCE-MI 2論理エミュレーション技術
この問題の解決に、SystemVerilog DPI-C (Direct Programming Interface-C)で構築された検証環境を容易に加速可能な、SCE-MI 2論理エミュレーション技術が注目を集めています。
DPI-Cは、PLIに比べ非常に簡単に、C/C++言語やSystemCのモデルやテストベンチとRTLブロックをリンクするための技術で、ほとんどのSystemVerilogシミュレータでサポートされています。
高位合成設計検証フローでは、RTL回路生成の前後で同じ検証環境を適用できるDPI-Cをベースにしたテストベンチを構築するケースが、多くなってきました。
■ZeBu ZEMI-3
EVE社のZEMI-3は、実績豊富なSCE-MI 2論理エミュレーション技術です。ZEMI-3は、動作レベルまたはRTLで記述されたVerilog-HDLのtask やfunctionを全自動でコンパイルし、高速エミュレーション環境を実現します。その結果、RTLのDUTとDPI-Cベースのテストベンチで構成される検証環境を、メガヘルツ級の速度で実行できるようになります。
■ユーザ事例: 高位合成後のRTL検証を1300倍加速!
富士通マイクロソリューションズ様では、DPI-Cを使ったRTL検証環境を構築、アルゴリズムC検証からZEMI-3を使用したエミュレーション検証までの一貫フローを確立されました。無線回路に適用したところ、論理検証との比較で最大1300倍の高速化効果がありました。
この詳細は、2012年6月15日(金)に新横浜で開催される「0-Bug Conference 2012 Summer」にて、富士通マイクロソリューションズ様からご講演いただきます。高位合成後のRTL検証にご興味のある方、必見です!
■セミナー情報
「0-Bug Conference 2012 Summer」の詳細および参加ご登録はこちらのWebサイトへ!
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