新しいシリコン実現のためのテクノロジ・ソリューション Magma Design Automation
新しいシリコン実現のためのテクノロジ・ソリューション Magma Design Automation
■はじめに
何年にも渡り、半導体業界は広範な技術的問題や市場の圧力に打ち勝ってきました。今日革新と成功は、より大きな技術的な問題や市場の圧力を生み出す圧倒的なレベルにまで到達しています。
EDA企業は、もはや単により強力かつ優れたツールを提供するだけでは、これらの問題に対処できなくなっており、顧客がビジネス的な制約を満たすために必要なあらゆる範囲の技術的な条件に対応しなければなりません。
すべての電子製品、電子システムの核となっているのは、一般にシリコン・チップと呼ばれている非常に高機能なICです。これらのICは驚くべきほど複雑で、1つのチップに数十億ものトランジスタが組み込まれていることも珍しくありません。これらのICを継続に開発しなければ、現在世界は急停止してしまうでしょう。シリコン・チップは、単なる「あったらいいもの」でも「次の目玉」でもなく、事実「シリコンは最重要」なものなのです。
半導体業界は、技術的な目的とビジネス的な目的双方に対応するソリューションを求めています。この解となるのが、マグマ社のSilicon Oneです。
■最新のシリコン
技術開発は驚異的な速度で進んでいます。タブレット・コンピュータ、スマートフォン、デジタルカメラ、個人向けメディアプレイヤのような電子製品のない世界を想像することは難しくなっています。また、このような製品が存在していなかったわずか数年前のことを忘れてしまうのは簡単です。
シリコン・チップが通常アナログ機能、もしくはデジタル機能を実行するか、もしくはメモリ・デバイスとして機能していたのは、そんなに昔の話ではありません。また、機器は通常1つの主要機能しか実行していませんでした。例えばマイクロプロセッサは、デバイスに通信機能RS232を実装すると同時に、ソフトウェアを実行するように使用されました。
事態は変化しています。今日のSoCは、およそ合計数十億ものトランジスタからなる複数のプロセッサコアやハードウェア・アクセラレータといった、膨大なデジタル機能と、大規模なアナログ機能や膨大なオンチップ・メモリを組み合わせることができます。また、デバイスのハードウェア部に加えて、ハイエンドSoCデザインは数百万行のファームウェア・コードを含む場合があります(アプリケーション・ソフトウェアの場合は全く異なります)。
図1. 新たなシリコンはより多くのデジタル、アナログ信号が混載されており、より多くのコアを搭載しています
半導体業界は、3D ICの搭載も開始しており、同じパッケージに入れられる前にシリコンのダイ1が互いに直接接続されます。以前は、複数のダイが同じパッケージの中で互いに重ねられていましたが、直接接続されてはいませんでした。次世代3D ICはダイとダイが直接接続され、それによって消費電力は劇的に削減され、ダイ間の通信速度が大幅に加速されます。
逆を言えば、時が満ちて、このテクノロジもコストを削減するようになります。それというのも、最も適切なテクノロジノードでダイを生成することができるようになり、デバイス全体の歩留まりを向上するように複数のより小型のダイを使用することができるようになるからです。
*「ダイ」とは、チップパッケージにまとめられた実際のシリコンを言います。
■Silicon Oneにようこそ
EDAベンダの中には、あらゆる人に全てのものを提供しようとしている会社があります。これらの企業は顧客をend-to-endフローに縛り付けようとしていますが、そもそも1つの企業が全てのことを上手く行うということ自体が不可能なのです。EDAに「(全員が着られる)フリーサイズ」は存在しません。
比較して、マグマ社は当社のお客様に対してシリコンを収益性の高いものにすることに焦点をあてています。当社は、チップメーカが単一チップにデジタル、アナログ、メモリ・システムを収束しようとする際に現在直面している市場投入期間、製品の差別化、コスト、消費電力、性能といった主要ビジネス問題に対応する差別化されたソリューションやテクノロジをご提供することに力を注いでいます。取り組んでいる分野において最善となることを目標としており、各分野で最善のEDAベンダと積極的に協力しています。
■Silicon One始動
それでは、マグマ社の最先端製品群が、どのように新たなシリコン設計課題に対応しているのか、現在一般的な電子製品で使用されている様々なタイプのデバイスについて考えてみましょう。
ASIC/ASSP: デジタルテレビ(DTV)で使用されているような、ネットワーク処理、データ・ストレージ・チップ、コンシューマ向けマルチメディア・チップなどは、世界でも最も大規模なチップです。このようなデバイスに関わる巨大なサイズは、開発に伴うコストや時間が非現実的なほど大きくなってしまいます。マグマ社のASIC/ASSPソリューションは、少人数かつ短期間で、このような大規模設計をフラットで実行できる革新的な技術で構成されています。設計を小さく分割し、階層的に実行する必要がありません。この規模の設計は、この革新技術が登場するまでフラットで実行することは不可能でした。さらに、この規模の設計は別々の設計者や設計チームで実行されるため予測性が欠如しています。フロントエンド設計者はバックエンドのフィジカルデザインを予測することができず、膨大な時間をかけて繰り返し作業を行い、極小解に陥ります。マグマ社のフロントエンドからバックエンドまで統合されたソリューションはこの問題を回避します。つまり、フロントエンドでバックエンドでどのような結果が得られるかを理解することができるのです。
アナログ/ミックスドシグナル(AMS): ワイヤレス市場の急激な成長により、より最先端のアナログ/ミックスドシグナル設計に対する要求が高まりました。AMSチップにおける重要なアナログ・ブロックが増加すると同時に、制御機能の増加によりデジタル部も増加しています。最新世代のAMS設計はSOCデバイスと類似しています。大規模かつ複雑で、最先端プロセスノードで設計されています。マグマ社のAMSソリューションは、革新的なアナログ自動化/最適化製品で構成されており、マグマ社のデジタル・インプリメンテーション・プラットフォームに完全に統合されています。今日のチップに使用されている大規模なアナログ・ブロックは、膨大な検証課題を設計者に与えています。このような課題に対応するために、マグマ社の高速かつ大容量の回路シミュレーションは、主要なMCU、FPGA、インターフェイス、パワー・マネジメント・チップに使用することができ、このような設計のシミュレーションや検証を完全に実行することが可能です。さらに、アナログIPや再利用も市場では重要な差別化要因となっています。しかし、アナログIPブロックのマイグレーションや、ASIC/ASSPやSoC設計で使用されているアナログIPブロックを修正することは困難です。マグマ社のAMSソリューションは、パラメタライズ可能なIPブロックを生成し、これらのIPブロックをアプリケーションに応じて修正することができる使いやすく柔軟なメソドロジをご提供します。オンチップ高速I/Oのような製品を差別化する上で、非常に強力なツールと言えます。
メモリ: スマートフォン、カメラ、タブレット、ノートブック等でのSRAM、DRAM、Flash、イメージ・センサの使用が急増し、コストや市場投入期間の面で非常に競争の厳しい市場ができています。このような顧客の大きな懸案事項として、可能な限り安価な信頼性の高いメモリ・チップ(メモリの全ビットが正しく動作しなければなりません)の入手があります。マグマ社のメモリ・ソリューションは、インプリメンテーションおよびキャラクタライゼーション・プラットフォームと組み合わせた、高精度かつ高速シミュレーションで構成されています。このソリューションは、より短期間で規則的な構造のメモリ・チップを設計することが可能です。例えば、トップレベル・メモリ設計の配線作業は、形状、負荷のバランス、一貫性などの制約があります。マグマ社のシェイプベース配線はこれらの作業を自動化し、生産性を大幅に向上し、コストを削減します。
プロセサ・コア: 高性能コアは、今日のあらゆるアプリケーションや画像処理チップの基礎的な要素です。全体的なシステム性能は、このようなプロセサ・エンジンがどれだけ高速で動作できるかによって決まります。さらに、システムの電力消費は、これらのコアの消費電力をどれだけ低く抑えることができるかに大きく依存しています。マグマ社は長年に渡りCPU、GPU、DSPコア・プロバイダと協力しており、マグマ社のツールを使用して設計されたコアは、より少ない消費電力を実現すると同時に2 GHz以上で駆動する世界最先端の携帯アプリケーション・プロセッサの核となっています。シングルコア・デザインと同等の電力のままで、データ量の多い最先端アプリケーションが必要とする処理能力を実現するために、同時にそれぞれが複数の電圧領域を持つ2個、4個、8個あるいは16個のコア・プロセッサを使用するマルチ・プロセッサが求められています。このような低消費電力マルチコア・デバイスの設計は益々困難になっており、インプリメンテーションでの失敗はより多くのコストがかかってしまいます。マクロ、メモリ、IPブロックを高精度にキャラクタライズするマグマ社の機能は、マグマ社のマルチ・ボルテージ、階層プランニング、高性能配置、最適化技術と組み合わされ、すべて1つの統合データモデルに統合されており、シングルチップでデータ、動画、音声、接続サービスを実現できる次世代プロセッサを可能にします。
システム・オンチップ (SoC): 今日の最先端SoC設計は、デジタル(複数のプロセッシング・コア、ハードウェア・アクセラレータを含む)、アナログ、ミックスドシグナル、メモリ等あらゆるものをシングルチップに統合しています。この結果、SOCは非常に困難かつ複雑な設計になっているものの、多くの機能を統合することができ、最先端エンド・アプリケーションに必要な安価な部品コスト、低消費電力、高い処理能力を実現します。マグマ社のお客様によって生成されたハイエンドSoC設計は、スマートフォンのような製品で、携帯市場に革命を起こしています。ここで使用されているアプリケーション処理は、WiFi、Bluetooth等のようなラジオやワイヤレス・モデム、オーディオ、ビデオ、GPS等と同様、すべてシングルチップで処理されます。マグマ社のSoCソリューションは、各ブロックのトップレベル・プランニング、インプリメンテーションはもちろん、様々なタイプのIPブロック(I/O、デジタル・マクロ、アナログ/ミックスドシグナル、メモリ等)を高精度にキャラクタライズします。マグマ社の統合データモデルを使用することにより、ブロックレベルのインプリメンテーションは予測可能で、トップレベル・プランとコリレイトし、デザインクロージャを実現します。さらに、従来のフローと比較して何分の一かの時間で最大規模のSoC設計をサインオフするために、マグマ社の並列処理が可能なサインオフ精度の解析製品群を使用することが可能です。マグマ社製品がSilicon Oneイニシアティブに対応する簡単な一例として、一般的なスマートフォンに見られる様々なシリコン・チップについて考えてみましょう(図2)。
図2. Silicon Oneを実行- スマートフォンの例
■Silicon One遂に登場!
マグマ社のSilicon Oneは、優れた技術、設計知識、お客様の創造性をひとつにまとめ、採算性の高い差別化されたシリコンを実現します。お客様に最高速かつ最も統合されたソリューションをご提供すべく、当社は常に新しい革新技術を探求しています。しかし同時に、当社が提供していない技術については、他の最高クラスのEDAベンダと協力も行っています。信頼性の高いパートナとして、当社はEDAとお客様の成功とテープアウトにのみ焦点を当て、優れたエンジニアリング・サポートとサービスを伴ったテクノロジ・ソリューションを強化しています。
●マグマ社の設計、解析、インプリメンテーション・テクノロジは、競合他社では対応が不可能な今日の半導体の課題を予期して生成されています。
-デジタル設計:最も革新的な統合RTL-to-GDSIIインプリメンテーション
-デジタル・サインオフ:サインオフ・テクノロジと完全に統合された唯一のマルチシナリオ
-アナログ設計:初めて実現可能なアナログの自動化、最適化テクノロジ
-アナログ検証:高度に拡張可能な並列計算SPICEシミュレーション
-歩留まり管理:歩留まり管理とウェハ検査におけるファブ・スタンダード
●シリコンの差別化の鍵に焦点を当てるマグマ社のソリューション
-高性能コア: あらゆるチップの計算構成要素
-システム・オンチップ:将来的なシステムの「キラー」アプリケーション
-ASIC/ASSP:モンスター・チップの設計
-アナログ/ミックスドシグナル: 生成されるあらゆるチップで勢いが増加
-メモリ:ワイヤレス、コンシューマ市場を支える信頼性の高いチップ
当初、マグマ社は世界で最も革新的なRTL-to-GDSII EDA会社であると評価されていました。その後、当社は世界で最も革新的なアナログ、ミックスドシグナル会社の1社として評価されはじめました。現在、当社は世界で最も革新的なシリコン・ソリューション会社として認識されています。
マグマ社のSilicon Oneへようこそ。Silicon One遂に登場!
本記事に関するお問い合わせ先:
マグマ・デザイン・オートメーション株式会社
Business Developement
ディレクタ 石神英明
Tel: 045-470-4533 (代表)