中国サーバー大手のInspur、S2Cのプロトタイピング・システムを活用してルーティング制御用チップのデバッグ工数を削減
2017年3月14日、FPGAベースのプロトタイピング・システムを手掛けるS2Cは、中国サーバー大手のInspur社による同社製品の採用事例を発表した。
発表によるとInspurは、ルーティング制御用チップのプロトタイプ検証において、S2CのFPGAベースのプロトタイピング・システム「Prodigy」プラットフォームと共にオプションのデバッグ用モジュール「Prodigy Multi-Debug Module(MDM)」を採用。これら製品を活用することでデザインのデバッグ・プロセスを大幅に高速化する事に成功している。
「Prodigy MDM」は、複数FPGAの同時デバッグを可能とするオプション製品で、プロトタイピング・ボード上の最大16個のFPGAを1つのロジックアナライザで同時にデバッグする事が可能。また、高速GTトランシーバを用いて最速40MHzまでアットスピードでFPGAをトレースでき、2Kプローブを8グループ化し、再コンパイルすることなくFPGAごとに最大16Kプローブのトレースを可能とする。
Inspurでは、デザインに含まれる膨大なパケット送信にトリガ条件を設定し、関連するパケットをキャプチャするというデバッグ手法において「Prodigy MDM」を活用。最大16GBの波形データを保存できる「Prodigy MDM」は、サンプリングと分析に大きく役立ったという。
※画像はS2C社Web上のデータ
ちなみにInspurは日本では馴染みの薄い会社だが、サーバー・ベンダとして中国ではトップ・シェアを誇り、世界的にもトップ5に名を連ねている。同社はAppleのデータセンターにもサーバー・マシンを納入している。