Cadenceが新たな検証マネジメント・ツール「Incisive vManager」を発表
2014年2月25日、Cadenceは検証マネジメント・ツールの新製品「Incisive vManager」を発表した。
Cadenceによると、新製品「Incisive vManager」は既存の製品「Incisive Enterprise Manager」の後継製品で、機能検証のプランニングとマネジメントを効率化し、機能検証の品質向上とコスト削減を実現するもの。Cadenceの提唱する制約付きランダム検証をベースとした「メトリクス・ドリブン検証(MDV)」を支援するマネジメント・ツールとして、「Incisive Enterprise Manager」をクライアント・サーバー・タイプに進化させたものが「Incisive vManager」だ。
「Incisive vManager」が狙うのは徹底した検証の「見える化」で、プロジェクト単位あるいは設計ブロック単位で検証の進捗やその中身の詳細を様々な視点、様々なロケーションから確認することが可能。シミュレータ「Incisive」に限らずフォーマル検証ツール「Incisive Formal」、エミュレータ/アクセラレータ「Palladium XP」にも対応しており、シミュレーション、フォーマル検証、アクセラレーションを組み合わせたMDV検証の生産性を2倍に引き上げる事ができるとする。
デザインの大規模化が進み、多拠点、多人数によるチーム設計が広がり、それと合わせて検証のマネジメントがより困難かつ重要になってきている状況受けて用意されたソリューションが「Incisive vManager」で、マルチ・ユーザー、マルチ・ロケーション、更にマルチ・プロジェクトに効率的に対応するために、「Incisive vManager」では新しくSQLデータ・ベースを採用しキャパシティと信頼性を向上。「Incisive vManager」をインストールした環境で行われた検証作業の結果はリアルタイムでサーバーへ送られ、チームあるいはマネージャーと情報共有できる仕組みとなっている。
また「Incisive vManager」では、検証プロセスや進捗の見える化を促進するトラッキング機能の追加をはじめ、各種MDV検証の解析機能が拡張されており、例えば検証対象における機能毎のPass/Failやカバレッジ、設計ブロック毎の検証の進捗、テスト・パターン毎のカバレッジ効果など様々な軸で検証の状況を確認できるようになった。これら機能は一般的にプロジェクトのマネージャーやリーダー向けのものとなるが、単体のツールには無い様々な解析機能は個別のブロックを担当する検証エンジニアにとっても有用なものと言える。
※画像は全てCadence提供のデータ
Cadenceは数年前からMDV検証の有用性をアピールしているが、それに高度なマネジメント環境を組み合わせれば、より検証の生産性を上げることが出来るというのが今回の新製品「Incisive vManager」に込めたメッセージ。裏を返せば今日の大規模設計の検証は、昔ながらのExcelベースのマネジメントではリスクが高いという警鐘とも言える。
※日本ケイデンス・デザイン・システムズ社