SynopsysがARMのbig.LITTLEプロセッシング技術に対応する仮想環境ベースの開発キットをリリース
2012年3月22日、Synopsysは、ソフトウェア開発向けの新たなESLソリューション「Virtualizer Development Kit(VDK)」を発表した。
VDKはその名の通りバーチャル・プロトタイピング・ツール「Virtualizer」をベースとしたソフトウェア開発キットで、今回その第一弾としてARM Cortexプロセッサ向けVDKファミリーが発表された。
Synopsysによると、ARM Cortexプロセッサ向けのVDKファミリーには以下のものが含まれており、ARM最新の「Cortex-A15 MPCoreプロセッサ」と「Cortex-A7 MPCoreプロセッサ」で構成する高性能化と低消費電力化のための技術「big.LITTLE処理」に対応するソフトウェアの開発を加速させる事が可能となる。
・プレ・コンフィギュレーションが施されたLinuxおよびAndroid OS
Linux(Vanilla 2.6.38)/Android(Gingerbread 2.3.4)
・「big.LITTLE処理」で用いられるマルチコア・タスク・マイグレーション・ソフトウェア・レイヤのためのプレ・コンフィギュレーション環境
・インターフェイスおよびペリフェラル・コンポーネント
USB 3.0、Ethernet、UART、LCD、キーボード、バッテリー、メモリーなど
現在のところ「big.LITTLE処理」を実現するARMの低消費電力コア「Cortex-A7」は、2013年に市場に出てくる見通しとなっているが、今回発表されたSynopsysのARM Cortexプロセッサ向けのVDKファミリーを利用すれば、「Virtualizer」の謳い文句通り実機が出てくる前から「big.LITTLE処理」を用いたシステムの開発が可能となる。Cortexプロセッサ向けVDKファミリーは2012年Q2(4-6月)に一般提供が開始する予定。